高校生の子どもの横で親が眠っても不自然でない

── ご家族で、キャンピングカーで旅をするのが趣味だと聞きました。

 

田中さん:そうなんです。わが家では、長期の休みになると家族でキャンピングカーの旅に出るのが恒例になっています。全国制覇も目前で、残すところあと3県なんですよ。

 

── キャンピングカーでの旅は「さぞかし楽しいだろうな」と思う反面、狭い空間でずっと一緒にいると、ぶつかり合いも増える気が…。そんなときはどうされているのですか? 

 

田中さん:もちろん、姉弟ゲンカもしますよ。北海道一周するような旅では、1か月くらいキャンピングカーで生活することになりますから。でも、結局、次の目的地に一緒に向かわなくちゃいけないし、草原の真ん中じゃ、家出もできません(笑)。だからこそ、気持ちをそのままにせず、お互いに悪かったところを言い合い、「ごめんね」のあとは握手!解決してから次へ向かいます。

 

自宅ではそれぞれ自分の部屋にこもりがちですが、キャンピングカーだとそうはいきません。同じ空間で同じ景色をみているうちに、ふっと気持ちがやわらいで自然に会話もふえていきます。そうした時間の積み重ねが、結果的に家族の絆を深めてくれるんです。旅から戻るたびに、家族の結束が強くなっていると実感します。

 

田中美奈子
キャンピングカーの運転席の上は大人2人が寝られる広さ

── それって、すごく濃密な時間ですね。

 

田中さん:そうなんです。キャンピングカーでは子どもたちと隣で寝ることも多いんです。運転席の上には「バンクベッド」と呼ばれるスペースがあり、大人ふたりが寝られる広さがあるんですね。息子と一緒にそこで寝ることもあれば、娘と寝たり、姉弟同士で寝ていることも。

 

高校生の子どもがお母さんと隣で寝るなんて、ふつうはちょっと考えにくいじゃないですか。でも、キャンピングカーの生活だとそれが自然になっちゃう。だから、家に帰ってきても、子どもが私の横に来て「今日はここで寝るね」なんてことも。心の距離も縮まっていくんですね。家族の仲を深めたければ、キャンピングカーがいちばん。それが私の持論です(笑)。