トレンディドラマに出演し、ボディコン姿で歌手活動もしていた田中美奈子さん。素顔はスッピンにTシャツで男気あふれる女性。結婚相手も、同じ町内会の知人男性でした。着飾らない結婚観や子育てについて聞きました。(全3回中の3回)
結婚相手とみなしていなかった知人から告白されて
── 2007年、7歳年下の俳優・岡田太郎さんと結婚されました。おふたりは15年間、家族ぐるみで親しくされていたそうですね。
田中さん:もともと町内会のご近所さんで、家族ぐるみで仲よくしていました。彼は7歳年下だし、私にとっては弟のような存在。恋愛対象として意識したことはなかったんです。でも、夫はずっと私のことを好きだったようで…。世話好きな性格で男気のある私を「カッコいい」と、思って憧れていたらしいんです。自分で言うのは恥ずかしいですけど(笑)。
「いま、つき合っている人いるの?』と、ある日突然、聞かれて。「いるけど、結婚までは考えていないよ」と話したら、「じゃあ、僕と結婚を前提に考えてみない?」と予想外の言葉が。まさかの告白に驚いて「冗談でしょ!?」と。母に話したら「太郎君、大丈夫!?頭おかしくなっちゃった?」と、本気で心配していました。
── お母さまの動揺が伝わってきますね(笑)。その後、「かわいい弟」から「人生のパートナー」として意識するようになったきっかけは?
田中さん:よく考えてみたら、「彼ほど素の私を知っている人はいないな」と気づいたんです。女優としての田中美奈子ではなく、すっぴんでTシャツ・ジーパン姿で町内会の世話をやく私を好きだと言ってくれる。本質を見てくれているんだなと感じました。飾る必要がなく、気を張ることもない。彼と一緒に暮らしたら、心がラクで楽しいだろうなと思いました。
以前、尊敬する先輩から「結婚する相手は、相手の肩書きや財産などすべて取り払った素の姿で決めなさい」と、言われたことがありました。彼の人柄を知り尽くしていた私は、「これってアリかも!」と思い、当時つき合っていた人とは関係を整理し、彼の申し出を受け入れました。そして、その3か月後には結婚していました。
── 現在、15歳と17歳のお子さんがいらっしゃいます。子育てで心がけてきたことはありますか?
田中さん:言葉で気持ちを伝えることと、素直でいることですね。小さいころからスキンシップはもちろん、「愛してるよ」と、愛情を言葉で表すようにしてきました。ケンカをしてしまったときも、自分が間違っていたと思ったら、必ず「ごめんね」と素直に謝ります。そして、「なぜそうなったのか」まできちんと伝えるようにしています。
たとえば、イライラしてついきつく当たってしまったときは、「ごめんね。寝不足で、しかもセリフを覚えなきゃいけなくて、ストレスがたまっていたんだ」と説明すると、子どもも納得して「いいよ」と。うやむやにしないから、お互いにわだかまりなく過ごせるんです。うちでは「言わなくてもわかるよね」はタブー。言葉できちんと伝えることを徹底しています。