「かっこいいな」初対面から4年後に距離が縮まり

── 現在の旦那さん、車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手とも、その後の取材で出会ったのですか?
久下さん:2015年にフリーランスとなって東京へ出てきたときに、以前取材した池選手が車いすバスケットボールから車いすラグビーに転向し、都内で合宿をしていると聞いて見学に行ったんです。そこに夫もいたのが初めての出会いでした。練習後はみなさんでごはんに。その後も何度か同じようなことがあり、帰る方向が近かった夫に車で送ってもらうようになりました。
── 羽賀選手の第一印象はどうでしたか?
久下さん:おつき合いしたいとかそういうことは考えませんでしたが、「かっこいいな」とは思いました。「好みの顔だな」と(笑)。夫は穏やかで寡黙なタイプですが、ふたりで話していると何だか居心地がよかったんですよね。ただ、アナウンサーと選手という間柄でしたし、基本的には大人数で会うだけだったので、実際につき合うようになったのは初めて出会ってから3〜4年後でした。
── ちなみに出会いのきっかけとなった池選手はバスケットボールからラグビーへ転身されたとのことですが、車いすスポーツではよくあることなのでしょうか?
久下さん:健常者だとまったく違うスポーツですが、車いすバスケットボールと車いすラグビーは共通する部分が多く、競技替えは珍しいことではないです。車いすラグビーは体育館の中で行い、4対4でプレイするスタイル。ラグビーボールを持って車いすで走り、トライすれば点数が入るので、車いすで走り回るチェアスキルやポジショニング、チーム内の連携や戦略の練り方は、車いすバスケットボールと共通するところがあります。
違うのは障がいの程度です。車いすバスケットボールの選手のほうが、足は不自由だけど上半身は動かせる方が多いのですが、車いすラグビーは四肢(両手・両足)に障がいがないと出てはいけない決まりがあるので、車いすバスケットボールより障がいが重度の選手が多くなります。