「日本一パラスポーツを語れる女子アナ」として、パラリンピックスポーツの魅力を発信しているフリーアナウンサーの久下真以子さん。2021年には車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手と結婚しますが、当初は周囲の「未知から来る不安」により、さまざまな意見がありました。(全3回中の1回)

車いす競技に衝撃を受けた

久下真以子、羽賀理之
東京パラリンピックで銅メダル獲得後、結婚

── 久下さんといえば、「日本一パラスポーツを語れる女子アナ」として知られています。アナウンサーキャリアの中で、パラリンピックスポーツに詳しくなったきっかけはなんだったんですか?

 

久下さん:2011年、私がNHK高知でキャスターをしていたときに、番組の企画として車いすスポーツの取材を提案しました。そこで出会ったのが高知出身で現在、車いすラグビー日本代表の池 透暢(いけ ゆきのぶ)選手です。当時、池選手はラグビーではなくて車いすバスケットボールの選手として日本代表を目指していました。そこでパラリンピックスポーツと出会い、「すごい世界だな」と感じて取材を重ねるようになりました。

 

── どのあたりが「すごい世界」だと感じられたのでしょうか?

 

久下さん:私は当時25歳。車いすスポーツを間近で見たのが初めてだったので「車いすでこんなに速く動けるの?」「車いすでぶつかるの?」「車いすに座ったままで鋭いシュートが打てるんだ」と、車いす競技のパワフルさにまず衝撃を受けました。身体に障がいを持った方ともそれまであまり接したことがなかったので、みなさん自分たちと変わらないような生活をされていることを知りました。