「事実婚がいい」と思った本音

── しかし、2年の交際を経て結婚話が出てくると、少し風向きが変わったとか。
ユナさん:結婚に対しては、塩さんが「自分はええけどユナに申し訳ない」みたいなことを言ってました。前の結婚で買った家のローンや、塩さんの当時36歳になる娘さん(ユナさんの3つ上)の学費ローンが残ってるって。塩さん、当時2歳の孫もいるんです。金銭面でも、将来の介護を考えても、私の負担が大きいんじゃないかって心配していて。でも、お金は私が働けばいいし、介護に関しては施設に入れず、私が自宅で面倒みるって思ってました。
── ただ、ユナさんは当初、事実婚を希望されていたそうですね。
ユナさん:お互いアーティストだし、見えないところで繋がってる感じがいいなって思ったんです。あと私、嫉妬深いんですよね(笑)。私は初婚だけど、彼は1度結婚生活を経験しているじゃないですか。前と同じルートに進みたくなかったというか、私たちは別の道を進んだらいいじゃんって当初は思ったんです。
でも、塩さんがちゃんと籍を入れたほうが、私の両親にも思いがしっかり伝わるんじゃないかと言ってくれて。あと私の両親、特に母ですよね。母がちゃんと籍を入れなさいと。
それに、私は絶対、子どもが欲しかったんですが、子どもを作るなら国から支給されるお金を受け取るには籍を入れたほうがスムーズだろうなと。私は韓国籍なんですけど、国籍のことを考えても、そのほうがいいだろうと考え直したんです。それに、年の差で援交とかパパ活って見られても、「私、妻なんです」ってパッと言えるのは幸せやでって母が言っていて。
本当は昔から結婚して籍入れて、子どもを持つのがずっと夢やったんです。だけど、前の結婚のこともあるし、「籍を入れなくていい」って自分で自分に思い込ませていったんだと思います。
── ユナさんのご家族は、結婚に反対しなかったようですが、塩さんのご家族は、結婚についてどうおっしゃっていましたか?
ユナさん:塩さんのお父さんは既に亡くなっていて、93歳になるお母さんには、結婚の話が出たときに一度ご挨拶に行きましたが、初めは会うことも拒否されました。年の差に加え、私が孫(塩さんの実の娘)より3つも年下だし、韓国籍であることも引っかかったみたいで。だけど「僕が母親を説得していくから少し待っていてほしい」と塩さんが言ってくれて。何度も何度もお母さんに会いに行って、話してくれました。
ただ、そのころからお母さんに認知症の症状が少し出始めていたんですよね。昨日、話した内容を忘れることがあって、私の結婚話が出てきて少し混乱していたのかもしれないけど。その後、2021年の後半くらいから会うようになってくれて、2022年に籍を入れました。
── 塩さんの前妻との間にいる娘さんにはどのようにお話しされましたか?
ユナさん:塩さんが話をしに行ってくれましたが、私は娘さんの家の玄関越しとか、車の中から挨拶する程度で、今もちゃんとお話ししたことはないんですね。複雑な気持ちなのはわかりますし、そら、そうだよなって思います。