ていねいで細やかな夫「子育てについては…」

── お話を伺っていると、子育てにおいて「体験」を大切にされていることが伝わります。子育ての考え方について、夫婦で意見がわかれることはありますか?

 

松本さん:ありますね。私は「勉強よりも体験を優先して自由に伸び伸び育てたい」という考え。いっぽうで、夫は将来困らないように一定の常識や社会性も大切にすべきというスタンスです。たしかに、もっともなんですけどね。子どもが生まれる前の夫は、私の意見を何でも柔軟に受け入れてくれる穏やかなタイプだったんです。でも、私があまりにも自由に育てすぎるからか、いまではその柔らかさを脱ぎ捨てて(笑)、厳しいアドバイスが飛んできます。昔は衝突することもありましたが、「お互いの子育ての『いいとこどり』をして、バランスが取れれば理想だな」と、最近は思うようになりました。

 

夫とは性格もまったく違うんです。大ざっぱな私と比べ、彼はていねいで細やか。たとえば料理を作るときも、彼はドレッシングや調味料を自分で手作りしたりしますが、私はそこまでしません。お掃除も彼は帰宅した瞬間から掃除機をかけますが、私は1回ソファで落ち着きたいタイプ(笑)。せっかちな彼とマイペースな私です。

 

松本莉緒と夫、息子
2019年、自身の誕生日に結婚。旦那さんもイケメン

── 40代に入ると女性はホルモンバランスの影響を受けやすくなりますが、ご自身はなにか意識していることはありますか?

 

松本さん:40代以降は女性ホルモンが減ってくる時期なので、心を健やかな状態に整えておくことが本当に大事だなと思います。心の余裕がなくなると、それが育児に影響したり、体の不調となってあらわれてきますよね。だからこそ、自分自身の幸福度を意識して上げる習慣を持っておくことが大事だと思うんです。

 

私の場合は近くの公園や少し遠出をして大自然に触れに行ったり、制限せずにそのとき食べたい食事をとったりして、「自分を満たす時間」を作るようにしています。体が資本なので、温泉やマッサージに行くのも好きです。推し活でも、スイーツを食べることでも、ゆっくり寝るだけでも、どんな形でもいいと思うんです。「自分の好きなこと」に触れて、自分を労わる時間をちゃんと取る。それが心の栄養になってまた頑張る力につながりますから。

 

── 40代は仕事や子育て、介護などを抱えて、自分があと回しになりがちな年代でもありますよね。

 

松本さん:そうですよね。だからこそ「完璧を手放すこと」を私は意識しています。もともと完璧主義なところがあって、昔は自分にも他人にも厳しくなりがちでした。周りの期待に応えなきゃと、つねに気を張ってばかりいて。とくに芸能活動をしていたときはそうでしたね。でも、そんな自分に疲れてしまって。「これも私なんだ」と受け入れられるようになってから、少しずつラクになりました。ある意味、あきらめも大事です。いまは、「あわてない」が口グセですね(笑)。