「完全母乳じゃなくていい」と思っていたはずが

── ご出産から半年ほど経ちましたが、赤ちゃんを迎えた新生活はいかがですか?

 

北原さん:すっかり赤ちゃん中心の生活になりました。ただ、母乳ですごく悩みました。これはもう、本当に言いたい。母乳で悩まない人はいないんじゃないかなと思っているんです。

 

そもそも出産前は、「完全母乳にしたい」とは思っていなかったんです。ところが、子どもが生まれてみると、あまりにも愛しくて、子どもの健康のためにも「母乳で育てたい」という気持ちが強くなって。でも、私の場合は母乳の出があまりよくなく、思うようにあげることができなくて…申し訳なく思う日々でした。特にまだ新生児のころは赤ちゃんが泣いていると「母乳がたりないからかな」って自分の母乳のせいにしたり…。

 

乳腺炎や乳腺が詰まるといった悩みはなかったけれど、母乳の量を増やすためにお餅やお米を食べたり、母乳外来に行って母乳指導を受けたりしました。体型を戻すことよりも母乳を出すためになるべくご飯を食べるようにしていましたね。母乳が出づらいから、出る人がうらやましくて。

 

── 母乳の悩みは人それぞれ違うと思いますが、悩みますよね。

 

北原さん:本当にそうですよね。ただ、私、自分が妊娠してから、自分もミルク育児だったことを知ったんです。てっきり母乳育児だと思っていたんですけど、母親に聞いてみたら、「母乳が全然出なかったからミルク育児だったよ」と言われて、「あ、そうなんだ」って(笑)。なんか拍子抜けしました。

 

でも、母乳とミルクとの混合育児も難しい面があって。ミルクは哺乳瓶のメモリがあるので飲んだ量がわかるけれど、母乳は飲んだ量がわからないんですよね。だから、母乳のあとミルクをどれくらいたせばいいか迷ってしまって。「3か月 混合 ミルク量」とか、ネットでよく検索していました。それに、途中からおっぱいを拒否するようになっちゃって…。どうにか母乳も飲んでほしくて、抱っこしながら格闘していたら腱鞘炎になってしまいました。今も腱鞘炎の痛みをやわらげるサポーターが手放せないんです。