みずからを「カラフルデブ」と自称した理由

── レインボーカラーのヘアスタイルに、色鮮やかなファッションで一度見たら忘れられない存在感を放つDrまあやさん。ご自身を「カラフルデブ」と称して活動されていますが、その言葉には、どんな思いが込められているのでしょうか?
Drまあやさん:虹色は自分の多面性を象徴しているんです。情熱も冷静さもダークな感情も自分のなかに存在している。いろんな色を持って生きているという意味で虹色、そして見ての通りの体型ですから「カラフルデブ」というポップな名前にしています。実は、カラフルな色を好むのは、コンプレックスの裏返しでもあるんです。容姿に自信がないし、本来、性格もネガティブで地味。個性がないと自覚しているからこそ、カラフルな色に惹かれるのでしょうね。
── 自分のコンプレックスに向き合うことは心に負担がかかりますが、それに蓋をせず、昇華させてエネルギーに変えていく姿勢に、芯の強さを感じます。
Drまあやさん:昔からコンプレックスにどう向き合うかを考えてきました。その結果「おもしろい服を着た人」という枠で自分を表現して、楽しく生きていこうと決めたんです。そうすれば、誰かと比べて落ち込んだりすることもなく、自分らしくいられますから。迷ったときは「自分がおもしろいと感じるかどうか」を判断基準にしています。洋服のデザインにしても、たとえば自分の皮下脂肪のCT画像を使ったりとユーモアと独創性を大切にしています。
── CT画像をデザインにするとは、まさに医師ならでは発想ですね。デザイナーと脳外科医という「二刀流」はあまり聞いたことがありませんが、実際にはどうなのでしょう?
Drまあやさん:医師で音楽をやったり、絵を描いたりしている人はいると思いますが、自腹を切ってファッションショーまで開いているのは、私くらいでしょうね(笑)。実際、パリでショーをしたときも「脳外科医でファッションデザイナーです」って言ったら、現地の人たちもびっくりしていました。