病に年の差は関係ない「お互い長生きしよう!」

── 4年前、ご結婚直後に脳腫瘍が発覚し、手術をされたとのこと。入籍理由でもあった「何かあったときに私の代わりに判断する人が必要」という場面がいきなりやってきたわけですが、そのときはどんなお気持ちでしたか?
斉藤さん:頭部に腫瘍が見つかり、彼が病院に呼び出されて「このまま放置していたら3年は難しい」と、私のいないところで余命宣告をされ、ショックを受けていました。その後、治療がうまくいき、危機は脱しましたけど、当時彼は「どうしよう」と頭が真っ白になったそうです。「元気なのに、なんで余命の話が出るの?」って。
私は「22歳も年が違う人と結婚したんだから、こういうことも比較的早く起きたりするんだよ」と話しました。そして「とはいえ、誰だって他人事じゃないよ。あなたに起きたら、若いから進行も早い。何でも気になったらすぐに検査に行ってね。お互い健康のことに気をつけて長生きしよう!年上の私のことばかり心配するけど、あなたのことだって心配なんだよ」と。年の差婚までして先立たれたらショックすぎますから「病に年の差は関係ない。自分の体を気づかってほしい」と伝えました。
それを機に、お互いの健康にはひときわ気をつかうようになりました。免疫力を高めるべくストレスをためずによく寝て、若いころのように飲みすぎたりしなくなりました。体重管理もそうです。私の場合、投薬の影響で体質が変わってきました。やせすぎても健康のバランスが崩れるので、本当に難しくて。体力や免疫力が保てる程度、太っていることが必要な部分がありますが、ダイエットを多数経験してきて学んだぶん、効果的なスクワットなどの筋トレやちゃんとした食事をとっています。彼も私に合わせて白米ではなく玄米・もち麦を食べています。闘病でいったんお休みしていたジムにも、夫婦で通おうかと話しているところです。
PROFILE 斉藤こず恵さん
さいとう・こずえ。1967年生まれ、東京都出身。3歳で劇団若草に入団。74年NHKの朝ドラ・連続テレビ小説『鳩子の海』でヒロインの少女時代を好演し一躍人気子役に。76年には『山口さんちのツトム君』で歌手デビュー。その後、芸能活動を休止し、アメリカの大学に進学。帰国後は舞台俳優として活動のかたわら、テレビなどで数々のダイエット企画に挑戦する姿が話題に。現在は声優としても活動の場を広げている。
取材・文/加藤文惠 写真提供/斉藤こず恵