夫は高校の同級生「こんなにフィーリングが合う人がいるとは」

── 新潟に戻って再婚なさっています。旦那さんとはどんなきっかけで知り合いに?

 

斉藤さん:今のパートナーは高校時代の同級生です。ラジオのパーソナリティをするようになって、イベントにみずから出向いてステッカーを配ったり、リスナーや地域の人と会う機会が増えたんですね。そのときに、彼が会場にふらっと現れて、「覚えてる? 」って声をかけてきたんです。私のラジオを聴いていて、イベントに遊びに来てくれたみたいで。そこから昔話に花が咲いて、盛り上がって。

 

高校時代は同じクラスで席が近く、交流もあったのですが、アイドル活動のために上京することになり、連絡を断っていたんです。13年ぶりの再会でしたが、夫とは音楽の趣味が合うし、背伸びをしたりせずに一緒にいられる人で。自然に再婚する流れになりました。

 

斉藤瞳と夫
ウェディングドレスに身を包み、旦那さんと寄り添う斉藤さん

── たとえば、どういったときに一緒にいて心地よく感じますか?

 

斉藤さん:私、お酒が好きそうって見られやすいのですが(笑)、じつはおつき合いで飲む程度なんです。そして夫はまったく飲めない(笑)。お酒よりも食事を大事にするタイプで、その点が合うのは大きかったですね。それに、お互いに安室奈美恵さんが大好きで、一緒にライブを観に行ったりもして。そんな感じで共通の趣味があったり好きなものが一緒だったりするので、心地がいいです。高校時代はそこまでお互いを踏み込んだつき合いをしていたわけではないけれど、こんなに一緒にいてラクな人だとは思わなかったです。未来をともにしたいと思える人ですね。

 

── 再婚したいと思うほど、フィーリングがあったのですね。

 

斉藤さん:とはいえ、一度結婚に失敗しているので、自分自身が自立しなければと心に誓っていました。自分のそういう頑固な部分を、ちょっとかわいげないよなって感じることもあるのですが(苦笑)、夫は仕事を続けたいという私の気持ちを理解してくれました。私の芸能活動を応援してくれていて、25周年のグループ再結成のことも𠮟咤激励してくれています。

手術と不妊治療も40歳で子どもをあきらめ

── 再婚後は平和に過ごせているのですね。

 

斉藤さん:そうですね。ただ、子どものことで悩んだ時期はあります。今年で結婚10年になるのですが、自然な流れで子どもを望んでいたものの、なかなか恵まれなくて。コロナ禍になって時間ができ、先延ばしにしていた婦人科検診に行ったんです。そうしたら、病気が見つかってしまって。手術することになり、いろいろと考えましたね。

 

── それは大変でしたね…。

 

斉藤さん:手術をした後に不妊治療も行いました。でも残念ながら流産してしまって。その経験を経て、40歳のときに「愛せる家族がいれば、ふたりでもいいんじゃないか」と決めました。その結論にいたるまでは、簡単だったわけではありません。体外受精なども試したけれど上手くいかなくて。いろいろと試したうえで、「ふたりだけの未来をどういうふうに描いていくか」を考えたうえでの決断だったので、自分のなかで納得できました。

 

── 病気や不妊治療を経て、気持ちのうえでの変化はありましたか?

 

斉藤さん:忙しさと自分を大事にすることのバランスをとるのって難しいですよね。不妊治療をしたり、子どもをあきらめる決断をしたりと、思い描いていた人生とは違うこともあったけれど、あと戻りはできない。現状を受け入れて前に進んでいくしかないんですよね。だから、つねに今できることを一生懸命やっていきたい。その思いはアイドル時代から変わっていません。