アイドルグループ・メロン記念日としてデビューし、グループ解散後は芸能界を引退した斉藤瞳さん(43)。現在は地元・新潟を中心に、FM‐NIIGATAのパーソナリティなどで知られる存在に。1度の離婚を経て高校の同級生と再婚後、病気や不妊治療を経験。「今の暮らしがいちばん心地いい」と話します。(全2回中の2回)
「何もない」と感じていた故郷が、今は落ち着く場所に
── 新潟に移住後の生活はどのような感じですか?
斉藤さん:新潟に戻ってからはずっとフリーランスで活動しています。マネージャーはいないので、基本的にすべて自分でやっています。ラジオ局はもちろん、いただいたお仕事に向かうときもちろん自分で運転して。

── アイドル時代と比べて、なんでも自分でこなす必要がある今の状況をしんどいと感じることはないですか?
斉藤さん:たしかにアイドル時代の環境は恵まれていたんだなって実感します。なんでも周りが全部やってくれるのが当たり前で、それに甘えてしまっていて。そのまま大人になっていたら何もできなかったので、いろいろな経験をした今のほうがちゃんと生きられている気がします。
── 何かと便利な東京の生活が恋しくなることはなかったのでしょうか?
斉藤さん:戻った当初は新たな生活基盤をつくることに必死で。地元で行われるイベントの応援大使をしたり、ボランティアで講演などを引き受けたりして、地元に少しずつ馴染んでいきました。東京に住んでいると、たしかに流行りものの情報をすぐに入手できるけれど、コロナ禍で世の中が大きく変わりましたよね。リモートでできることが増えてきて、地方移住も全然可能な時代になったなと実感します。

── 一度、地元の新潟を離れてみて気づいたことはありますか?
斉藤さん:10代のころは、地元を「何もない場所」と感じていましたが、大人になるとむしろそこがいいんだよなって。東京での情報過多な生活で疲れてしまった自分もいたので、ゆとりが必要なんだなとあらためて感じています。最近は仕事で東京に行く機会が増えたのですが、高層ビルが立ち並んでいる風景や、人と人との距離が近くてつらく感じることも…。今はもう新潟から通うスタイルが自分に合っていると感じます。新潟から東京は新幹線で2時間なので、行き来もそれほど負担ではないです。