30代で高卒認定資格を取るため通信制高校へ
── 芸能活動のために10代で上京し、30代で新潟に戻られたわけですが、生活にはすぐ慣れましたか?
斉藤さん:東京で疲弊した心を救ってくれたのは、やっぱり家族や友だち、新潟の風土。おばあちゃんと一緒に畑で野菜作りをしたり、山に登ったり。自然に触れるなかで本来の自分を徐々に取り戻すことができました。そこから少しずつ、「このままじゃダメだな」「働きたいな」という気持ちに。でもいざ求人を探してみると「高卒以上、パソコン操作ができる人」という条件が壁になってしまって、スタートラインにも立てなかったんです。 そこで、まずは高卒認定試験の資格を取ろうと決意しました。

── そうだったのですね。いつも決断すると行動に移すのが早いタイプなんですね。
斉藤さん:そうかもしれません(笑)。通信制の高校に入学したのですが、友達からアイドルとしてのキャリアを生かしたほうがいいとアドバイスをもらい、「FM-NIIGATA」を紹介していただきました。だから、キャリアのスタートは高校生活とラジオのパーソナリティを両立させる形だったんです。とはいえ、通信制高校で通学は月に数回だったので、平日はラジオ局の仕事がメイン。ADから制作補助までなんでもやりましたね。
── 表舞台で活動されていて、裏方の仕事をすることに抵抗はなかったですか?
斉藤さん:どんなにアイドルとして10年間活動していても、ラジオ局の仕事は未経験。「社会人経験のない私でも働かせてもらえるなら、何でもやります」という気持ちで頑張りました。新潟で生活をしていく基盤づくりに必死だったので。おかげで今では、私がディレクターを務める番組もあるんです。私がメールで取材相手にアポイントを取り、収録を行って編集することも。そういった裏方の業務も全部行うのはローカル局ならでは。逆に全部自分でできるので、それは今の私の強みかもしれません。
