孫の前では「娘もライバル視」
── 現在、お孫さんが4人いらっしゃるそうですね。次女のユウさんのお子さんと一緒にテレビに出演されたこともありましたね。
高橋さん:孫はみんな本当にかわいくて、一緒に遊ぶのも楽しいです。孫に好かれようと、食事は娘に負けないように張りきって作っています。ユウの真似をしてオムレツなどを作ることもあるのですが、ユウからは「なんでこんなことでライバル視してくるの」なんて言われますけどね(笑)。
私たち夫婦は京都に住んでいるのですが、本当は孫たちの近くに引っ越してもっと会いたいですし、子どもたちの子育てを助けてあげたいという気持ちが強いです。
── 両親の手助けがあると子育ては助かることも多いですね。
高橋さん:ユウに「仕事もして子どもも育てて大変やな」と話しても、「何いうてんの、お母さんなんて4人も子ども育てて、働いてたやろ」って。母と娘ですが、お互いに相手を尊敬しています。孫に会いに行くときは、なるべくユウと旦那さんだけで出かけてもらう時間を作るようにしています。
── 素敵ですね!
高橋さん:子どもがいても夫婦ふたりだけのコミュニケーションの時間は大切です。私も子育て中にフィリピンの母親に来てもらって子どもを見てもらい、夫婦で出掛ける時間を作ってもらっていました。おかげさまで今も夫と仲良く暮らしています。ユウの子育てを見ていると私に似ているなと思うところも多いので、そのままの感じで孫に接しています。
── 甘やかすだけでなく、お孫さんに厳しくすることもあるそうですね。
高橋さん:先日、レストランで5歳の孫に叱ったことがありました。おもちゃの車をテーブルの上に出して走らせていたので、「ここでは手は膝にね」と。私自身も子どもたちのマナーは厳しくしていました。孫は注意されて泣いてしまったのですが、一度言ったらそのあと、ちゃんと聞いていましたよ。子どもでも物事の良し悪しはわかるんです。私の親もしつけには厳しい人でした。
うちは子どもたちが小さいころも、ひとつの部屋を除いて、家の中はピカピカにしていましたし、ここは「Don’t touch(触らないで)」という場所をきちんと教えていました。子ども部屋だけは、ジャングルでしたけどね。日本ではリビングにおもちゃがたくさんあるうちも多いので、「4人も子どもがいるのに、ここ、本当に子どもいるの?」なんて言われたこともありました。子どもだから仕方ないとか、子どもだから言ってもわからないのではなく、子どもだからこそきちんと言わなくてはなりません。大きくなってもちゃんと覚えているものですよ。
── 礼儀や行儀などはどの世界でも大切なことですね。
高橋さん:子どもたちの役に立っていたらうれしいですね。私はなんでも片づけるのが好きなので、ユウの家に行くと物が置いてあるのが気になってしまって。「お母さん、手伝ってくれるのはありがたいけど、どこにあるかわからなくなるから、勝手にものを動かすのはやめて」と言われるので、気をつけなくてはなりません(笑)。子どもたちはもちろん、かわいい孫の力になることが何よりの生きがいとなっています。
PROFILE 高橋ペンさん
たかはし・ぺん。フィリピンで生まれ、1983年に歌手兼ダンサーとして来日。結婚後、4人の子どもに恵まれる。モデルで長女の高橋メアリージュン、アーティストの長男、モデルで次女の高橋ユウ、サッカー選手で次男の高橋祐治の4人の母。
取材・文/内橋明日香 写真提供/高橋ペン