SHIBUYA109への自販機出店がヒットを呼ぶ
商品開発の次は販売方法です。店舗販売だと、手間や時間、販売の人手などがかかってしまいます。そこで自販機がすぐに浮かんだそうです。
「自販機なら設置するだけですみ、販売に手間や時間はほとんどかかりません。スピード感を持って販売網を広めていけます。加えて、人手なしですから、ビジネスとして長く続けられると思ったんです。生クリームだけの缶が自販機で買えるのもインパクト大ですしね」
自販機の設置第1号は前述した渋谷のSHIBUYA109。ただ、設置場所探しには苦労したとか。

「新宿、渋谷、池袋を候補地として自販機の業者へ営業で回ったものの、門前払いでほとんど相手にしてもらえなくて…。途方に暮れていたら、知り合いを通じてSHIBUYA 109のルートを紹介してもらえる話が舞い込んできたんです。半年間の営業の末、OKをいただきました。いっぽう、同じく難題だった資金集めはクラウドファンディングで行いました。初日に盛り上がるかどうかが重要と知り、SNSを通じてその日の案内に力を注いだ結果、目標金額の50万円に初日で到達。最終的には約220万円の支援金を集められたのは驚きでしたし、ありがたくてうれしかったですね」
こうして2022年4月に開業。試行錯誤を繰り返し開発した逸品は北海道産の動物性生クリーム。加工品の植物性生クリームではなく、生乳を原材料に使用する本物にこだわったそうです。そんな濃厚でコクのある生クリームを手軽に味わえるスイーツ缶『なまくり』がSHIBUYA109の自販機に並ぶと、瞬く間にヒットしていきました。