約300名の応募メッセージにはすべて目を通す

2024年のクリスマス会の集合写真。サンタ役は毎年、芸人Wエンジンのえとう窓口さんがボランティアで参加してくれている

── ひとり親や困窮世帯というのはどのように判断するのですか?

 

若林さん:ひとり親証明書、生活困窮者証明書、障がい者手帳をお持ちの方には見せていただきます。ただ、現在はLINEグループを通じて毎回応募制にしていて、通常のご家庭でも「夫が入院して生活費がない」といった状況があれば支援するケースもあります。1回に約100名を支援しているんですが、大体3倍、約300名の応募があります。なので、毎回同じ方ばかりにならないよう、皆さんの状況把握をしながらできるだけ多くの方を支援したいと思っています。最近は郵送システムを導入していて、自身が動けなくてレストランまでお店まで行けない、という方にはお送りすることもあります。近頃はガソリン代が高いので、車で遠くまでは行けない、という方が増えているんです。

 

── 毎回、状況把握が難しそうです。

 

若林さん:NPO法人「子育て応援レストラン」のグループLINEには、現在約2000世帯が登録しています。応募要項のなかに、近況や要望を知らせる欄があるのですが、皆さん毎回すごく丁寧に状況を知らせてくれるんです。そのメッセージすべてに私が目を通して、「この方は先月当たってないな」「この家庭は今月厳しいだろうな」という把握をするようにしています。

 

── 現在の活動状況を教えてください。

 

若林さん:ありがたいことに、いまでは100近い企業や団体、農家さんなどからの協力があり、月に2回、支援品の配布を行っています。第2木曜日は提供いただいた食材で75~100個のお弁当を作り、保存が効く食品や学用品、日用品などを組み合わせて支援品とし、経営しているレストランで配布しています。第4日曜日は近くの小・中学校の体育館を借り、並べた机の上に食材や日用品をたくさん並べて、順番に取っていってもらっています。これも約100名分。ただ支援品を配るのではなく、プロの音楽家による演奏会や、物資を提供してくださっている企業の講演会、サッカー選手との交流会など、毎月内容を変えたイベントを実施しています。

 

── 順調に運営できているいま、直面している課題や大変なことはありますか?

 

若林さん:それが、本当にないんです。周囲から見ればすごく大変なことをやっていると言われるんですけど、お弁当や支援品を渡してきた方の笑顔を見ていると、大変とは思わなくなるんです。