産みの母は「とってもかわいい」と言っていたよ

姫路市教育長になり、学校現場を視察した

── 告知にあたり、娘さんが置かれている状況や立場がわかるようなピクチャーブックを作られたそうですね。こちらも相談員の方からのアドバイスだったそうですね。

 

久保田さん:そうです。産まれたときから今までの流れがわかるように作りました。ページをめくりながら「娘は産みの親から生まれました」と、産みの母が入院している写真を貼ります。ここで「産みの母はとってもかわいいと言ってたよ」と言いながら、産みの母が娘を産んで、私たちが産んでいないことが自然とわかるように絵本でも伝えます。その後のページで「娘が産まれると、パパとママは急いでベットを作ったり、オムツを買ったりしながら、早く来ないかな。楽しみだなと思っていました」と、私たちの写真や家の写真を貼りました。ほかにも娘と初めて対面したときの写真を貼るなど、これまでの様子、積み重ねがわかるようにしながら、最後に「これからもよろしくね」と終わるピクチャーブックです。今も時折、娘のタイミングで自分で手にしてみています。

 

── とても素敵なピクチャーブックですね。今、娘さんは6歳とのこと。これから小学生になり、次のステージに向かっていくのでしょうか。

 

久保田さん:今、すでに新たなステージに入っているような気がしますね。外の世界との関わりが強くなって、周りのお母さんがお腹が大きくなったり、ママのおっぱいを飲んで育った話などを聞くことで「あれ?自分は違う人から生まれたって言われたな」と。友達との違いを感じるようになってきた段階です。

 

これから小学校に上がるとさらに変化すると思います。自分の世界を持つようになり、予想外のことが起きるかもしれません。そのときになって私がどんなふうに対応できるか不安はありますが、娘が何をどう思うかを私がコントロールできないと思っているんです。なので、娘の気持ちをきちんと受け止めること。娘から何か聞かれたら、成長段階に合わせて、都度真摯に向き合って、話しあうつもりです。最終的には娘自身がどう考えていくかになると思うのですが、いつでもすぐそばにいて、どんな気持でも聴いててあげられる自分でありたいと思います。