子育ては「人づき合いができる環境で」
── Instagramでは「田舎」に住んでいるとの書き方をしていますが、子育ては郊外でされているそうですね。
徳澤さん:実家の近くに住んでいるのですが、モデル時代に住んでいたような都会で子どもを育てることに違和感がありました。目に入る草花、鳥の種類も違うと感じますし、子どもたちには自然があるところで育ってほしいという思いがありました。
地域の自治会もあり、日曜日には公園でボランティアの清掃活動にも参加しています。子どもも一緒に参加するのですが、幅広い年齢層の方と交流もできています。私の地元なので「誰々さんちのなおちゃん」と呼ばれていて、ごく普通の住民として生活しています。大人になってから思うのですが、「やっぱり街を作るのは人なんだ」と改めて感じています。高齢の方が多い地域なのですが、人との繋がりがないと孤立も生まれてしまいますし、孤立が精神的、身体的な病にも繋がることもあります。地域で人づき合いができる今の環境の魅力を感じてから、年齢を重ねたら叶えたい夢もできました。
── どんな夢でしょう。
徳澤さん:60歳くらいになったら、地元でカフェを開きたいんです。高齢になっても仕事を続けることは自分が元気に過ごすモチベーションにもなりますし、人との繋がりを作る場所にしたいというような思いがありまして。実現に向けて今から少しずつ行動に移そうと、ときどき知り合いのオーナのカフェでの修行を楽しんでいます。コーヒーを淹れたり、メニューの構想をしたり、オペレーションのマニュアルを考え、どう在庫を管理するかを考えていく作業もおもしろいです。いろんな方と関わるのも楽しいですよ。子どもたちの受験が終わってひと段落したので、今後は、今まで挑戦してみたかったことにどんどんチャレンジしていく時期にしたいと思っています。
PROFILE 徳澤直子さん
とくざわ・なおこ。ファッション誌『Cancam』専属モデルを卒業後、第1子をアメリカ合衆国ミネソタ州にて出産。 帰国後、育児と並行して大学受験に挑戦。聖路加国際大学を卒業し看護師資格取得、その後同大学院にて修士号及び助産師資格を取得。 大学院在学中に第2子を出産。総合病院にて約3年看護師・助産師として勤務し臨床を経験。今後はモデル、大学院及び臨床、そして育児で得た経験を活かし、マルチな活動を予定している。
取材・文/内橋明日香 写真提供/徳澤直子