雑誌『CanCam』専属モデルとして活躍後、看護師・助産師として病院に勤務していた徳澤直子さん。ふたりのお子さんの受験が重なり、「願掛け」に頼った日々を振り返ってくれました。(全3回中の2回)

娘とは毎日ケンカも

── 去年、長女の中学校受験と、長男の小学校受験が重なったと伺いました。

 

徳澤さん:たまたま一緒のタイミングになってしまったのですが、振り返ってみても大変でした。夫婦の意見として、受験のメリットとデメリットを踏まえたうえで決断したのですが、中学校受験と小学校受験のふたつの世界を知れたことはいい経験になりました。単純に比較できることではないのですが、私はどちらかというと長女の中学校受験の方が大変でしたね。

 

徳澤直子さんと長男
長男の園行事にて。優しい表情の徳澤直子さん

── 娘さんもだんだんと自分の意思も出てきますよね。

 

徳澤さん:娘とは毎日と言っていいほどケンカをしていましたし、自分の怒りの閾値がこんなに下がるものか?とも思いました。私だけかもしれないのですが、ストレスが多かったです。成績で一喜一憂することもありますし、偏差値という尺度で評価するということへの葛藤は母子ともにあったので、日々悩みながらやってきた感じです。終わってみると、親子の絆が深められた期間だったなと振り返ることができるのですが、渦中のときは「もう早く終わって〜!」と思っていました。

 

── どんなことで揉めていたのですか。

 

徳澤さん:主にスケジュール管理です。私はつい心配で「いつまでにこれをしないと、あとから大変になるよ」と言ってしまうんですが、娘はそこまでの実感がなくて。当時はまだ小学生ですし、今なら「そんなこと、まいっか」と思えるんですが、受験期は娘に言ったことが終わっていないとまるで約束を守られなかったかのような感情になってしまって。

 

「なんでしなくちゃいけないの」と対立することはしょっちゅうありました。娘は幸い、塾に行くのは好きで、お友達と一緒に通うことは楽しかったようです。よく、受験前には感染症にかからないように学校を休ませるというような話も聞きますが、そのあたりはなるようにしかならないと思っていましたし、学校生活を楽しく過ごしてほしかったので、娘は毎日学校に通っていました。

 

── 受験の時期はちょうど風邪なども流行しますよね。どんな対策をしていましたか。

 

徳澤さん:栄養バランスや部屋の湿度などの環境には気をつかって、勉強しながら体が温まるもの飲み物を準備するなどしました。そういうところに関してはだいぶ看護師の知識が生かされたと思います。最後はもう願掛けに頼るしかないみたいな境地でしたけど、無事に終わったときはホッとしましたし、改めて子どもたちはよく頑張ったなと思います。子どもが頑張ってくれたから私も母としての経験を重ねられたことにも感謝していますし、家族の絆も強まったと思います。

 

── 受験が終わってから娘さんとのケンカはなくなりましたか。

 

徳澤さん:いえ、あります(笑)。これから思春期にかけてもっとハードになっていくんじゃないかなと思いますね。中学生なので、会話もだいぶ大人っぽい内容になってきていて、話をするのはおもしろいのですが、スマホの制限時間や、部屋を片づけることなど、受験が終わったといっても母親としては小言を言いたくなってしまいます。