夫で元プロサッカー選手の大久保嘉人さんの妻・莉瑛さんは現在、サッカースクールの代表をつとめています。「夫ではなく私が発端」と話すスクール開校への思いを伺いました。(全3回中の3回)
夫のセカンドキャリアを考えて
── 現在、夫の大久保嘉人さんがプロデュースするサッカースクール「Btrece(ベトレーセ)」の代表をつとめられているそうですね。
大久保さん:お互いの地元にサッカーが好きな子を育てたいという思いがあり、私と夫、それぞれの実家がある長崎と福岡にサッカースクールを開校しました。でも実は、スクールを開く案は夫ではなく私が発端なんです。
今もサッカーチームの監督をしている私の父から、「セカンドキャリアについても考えないと」ということはだいぶ前から言われていて。夫はひとつのことをやり遂げる集中力があるので、引退した後も何かサッカーに注力できる環境を作っておいた方がいいなと思い、2016年からスタートしました。
── これこそ内助の功ですね。スクールの代表としての仕事内容について教えてください。
大久保さん:私は、コーチ陣とのミーティングや、夫が指導をするイベントなどの運営全般を担当しています。夫のマインドをどうスクールに反映させるかもそうですし、私たちも子どもをサッカーチームに入れているので、子どもたち全員が活躍できるチーム作りなど、実体験に基づいた内容を反映させています。理想のサッカースクールを作って、ずっとサッカーが好きで楽しいと思える子を増やしたいですし、サッカーをきっかけにほかのことも頑張れるようなメンタルも育てたいですね。プロを目指したい子も、指導者になりたい子もいますし、体力作りを目的にしている子もいます。理由はさまざまでいいので、生活を豊かにするためのきっかけになったらいいなと思います。技術だけではなく人間性を高めたり、思いやりを育てたりするスクールでありたいです。
── 莉瑛さんは結婚前に航空会社で働かれていたそうですね。
大久保さん:幼いころから空港が好きで、空港で働きたいという思いで就職活動をして、ANAのグランドスタッフとして働いていました。当時、セレッソ大阪に在籍していた夫と遠距離恋愛を経て、伊丹空港にて勤務していましたが、夫のスペイン移籍が決まったタイミングで退職して結婚し、一緒にスペインに渡りました。勤務していたのは2年弱くらいです。
── 夢だった仕事を離れることに未練はありませんでしたか。
大久保さん:若かったので新しいことは楽しいと思えていたんです。ただ、やっぱり憧れていた仕事だったので、長く働いている同期の姿を見て「うらやましい」と思うこともありました。でもすぐに長男を妊娠してそこからは4人の子育ての日々だったので「前を向いて進み続けるしかない」というのが正直なところではありますね。