元プロサッカー選手の大久保嘉人さんの妻・莉瑛さんは、4人の男の子の母として育児に奮闘中。今年から息子2人がスペインで生活を始め、大久保家に訪れた変化とは──。(全3回中の1回)
息子ふたりが海外に「サッカー以外に人生経験も」
── 今年3月に19歳の長男が、9月からは12歳の3男が、サッカーを学ぶためにスペインのバルセロナで生活していると伺いました。
大久保さん:長男は弟思いで頼りになりますし、海外生活で日本や家族が恋しかったりするなかで、ふたりともお互いの存在に助けられているようです。長男と3男は兄弟げんかをすることもないので、それぞれのことに集中できている環境です。
長男は高校を卒業してから渡航しました。中学1年生の3男も、本当は中学校を卒業してからと思っていたのですが、意志が強い子なので自分もスペインでサッカーをしたいと。中学3年生の次男も来年の卒業後には向こうに行くと思います。
── 海外での生活は環境の変化も大きそうですね。
大久保さん:長男はイノシシに追いかけられたことがあったそうです。練習で田舎の方から都会に戻るときだったそうですが、無事だったので今は笑い話にできるものの、「生きてきたなかでいちばん全力疾走した」と言っていました。細い道から広い道に逃げたと言っていましたが、次にイノシシ遭遇したらどう行動するか、正しい対処法もきちんと調べたそうです。サッカー以外にもいろんな人生経験を積んでいるなと思います。
── サッカーからイノシシの対処法まで!すごいです。スペインは夫の大久保嘉人さんもプレーされていたところですね。
大久保さん:夫もスペインが好きで、明るさやノリなどが合っているようです。次男以降は、夫がスペインでプレーしていたことは覚えていないのですが、子どもたちもスペインは水が合っていると感じているみたいです。過去に2週間ほど大会に参加させてもらったことがあって、少しの期間ではありますが楽しかった記憶が強く、サッカーをここでしたいとみんな言っています。それに、信頼できる方にコーディネートをお願いできるという体制も整っていました。夫もまたスペインのサッカーに触れたいという思いがあるので、家族全員で「じゃスペインだ」と。
私自身も、皆さんが自然と人に親切に接している雰囲気がいいなと思っています。親としては、子どもたちの希望を叶えてあげたいという思いと、語学を含め将来何かに役立てられるだろうというのもあります。長男は語学学校に通いながら向こうのチームに所属していて、3男は今、所属するチームを決めている最中です。