家の中ではパンチ一丁で、禁煙も7時間しかもたず、家事もできない。「ずっと独身だろう」と思っていた、内山信二さんが巡り会えた運命の人。令和の出会いも胃袋をつかむのはあり、のようです。(全5回中の4回)
「子役の僕を知らない彼女」焼肉デートで結婚を意識して
── 2019年に一般女性とご結婚されています。奥さんとのなれそめを聞かせください。
内山さん:奥さんはもともとヘアメイクのアシスタントをしていて、草野仁さんの番組に出たとき初めて出会いました。ぼくを見かけたとき、奥さんは「王子様が来た!」と思ったらしくて(笑)。奥さんが子どものときは、あまりテレビを見る家じゃなかったそうで、ぼくが幼少期から子役で出ていたことを知らなかったみたいです。その後、共通の知人を通して紹介してもらいました。
── 奥さんのひと目惚れですね!初デートの場所は?
内山さん:焼肉屋さんですね。ぼくは、たいてい初デートは焼き肉屋で、その人の性格が出ると思っているからです。焼肉って意外と気をつかうじゃないですか。ぼくはこういう体型をしているので、一緒に行くと一気にたくさん焼いてくれる人が多いんです。でも、ぼくはそうではなく、1枚ずつ焼きたい派。
しかも、あまり間隔を空けずに、ほどよいタイミングで2枚目にいきたい。奥さんはそういう意味で理想的な焼き方をしてくれたんです。結婚したいなって決め手になったのは、奥さんがうちで初めて料理を作ってくれたときのこと。シメに雑炊とうどんの両方を用意してくれて、もう完璧!と思いました。たいていはどちらか一方になるけれど、僕は両方食べたいタイプ。すごく合うなと思ったし、だから結婚を意識したのはかなり早めだったかもしれません。
パンツ一丁で生活「結婚できないだろう」と思っていた
── もともと結婚願望はありましたか?
内山さん:すごくありました。できれば20代前半で結婚して、子どもは9人くらいほしいと思っていたんです。だけど、現実はうまくいかなくて、気づいたらもう30代後半になっていた。そのころには、結婚をあきらめていましたね。やっぱり周りから言われるんです。「内山くん、結婚はムリだ、結婚向きじゃない」と。というのも、ぼくは「人としてどうなの」というくらい掃除も洗濯も何もできなかったので。こんな自分を受け入れてくれる女性なんているはずないというか、結婚のハードルが高すぎてムリだろうなって、ずっと思っていたんです。
── 高いハードルを越える女性と出会ってしまったと…。
内山さん:そうですね。奥さんが、「できない僕」を許してくれたんだと思います。つき合い始めて3、4か月で同棲を始めました。そこで「本当にこいつ何もできないな、ムリ!」って、なる人もきっといると思うんです。だから、僕は最初だけいいところを見せようとするのはやめようと思って、もう素のまま、それまで通りずっとパンイチ(パンチ一丁)で生活してました(笑)。結婚はキレイごとごとじゃないですから。生活しながら減点方式になるより、「こんないいところもあるんだ」と少しでも加点されれば、という気持ちです。いまこうして結婚できていることは、それがよかったのかな、と思っているんですけどね。
── 一緒に暮らし始めて、ケンカをすることはなかったですか?
内山さん:多少はありました。原因は、僕の小さな嘘。たとえば、タバコをやめると言って、やめなかったり。奥さんは約束を破られることがすごくイヤ。まぁ当然ですよね。やめられないんだったら「やめる」と言わなければいいのに、っていう話ですから。そのとき、タバコをやめたのはわずか7時間でした。僕からしたらすごく頑張ったんですけど。奥さんの前で吸わないのはもちろん、奥さんに会うときは臭わないように、服も全部変えるようにして。だけど、うっかりカバンの中にタバコを入れていて、それでバレちゃいました(笑)。