まさかアメリカで結婚するとは思わなかった

── その後も、女優、歌手として活躍されていましたが、2005年にいきなりアメリカに留学されました。なにかきっかけがあったのでしょうか?

 

中村さん:これといったきっかけがあったわけではないのですが、なんとなく今の自分の生活が楽しくないなと思っていて。そのとき私は35歳だったんですけど、自分が15、16歳のときに英語を勉強したいと思っていたことを思い出したんですよね。でも、留学の知識はなにもなくて、まず「アメリカに行くためには?」みたいな本を買うところから始めました。その本にアメリカに住むためにはビザを取ったり、住む家を決めたり、最低でも6か月かかると書いてあったので、「じゃあ、6か月後に行こう」と決めました。

 

── アメリカに行くと決めてからの行動力がすごいですね。

 

中村さん:当時は止める友達が多かったけど、私はなんの根拠もないのに「なにかが待っている気がする!」と言っていて、事務所に「とりあえず1年間だけ、行かせてください」とお願いしました。

 

── そうしたら「なにかが待っている気がする」どころか、人生のパートナーが見つかった。

 

中村さん:当時はロサンゼルスの語学学校に通っていましたが、通学のために電車に乗ることすら新鮮で。日本ではそれもできなかったので、毎日が本当に楽しかったです。そんなときに日本人の知人が「知り合いの誕生日パーティがあるから、一緒に来ない?」と誘ってくれて。それが今の夫の誕生日パーティだったんです。当時の私は「少しでも英語が学べれば」と思って参加していたので、まさかそこで出会った人と結婚するとは思いもしませんでした。

 

中村由真
現在は2児のママ

── 2006年に結婚され、同年に長女、2009年には次女を出産されています。アメリカでの子育てで大変だったことや困ったことはありましたか?

 

中村さん:長女を授かったときは、私は子どもが大好きだったので、本当にうれしかったです。しかも、長女は夜泣きもしないし、すごく育てやすい子だったので、ただただ子どもを授かってうれしいという気持ちでした。でも、次女が生まれると、3歳違いの長女が赤ちゃん返りしてしまったうえに、次女は夜泣きもひどかったので、当時の記憶はほとんどないです(笑)。

 

── 小さいお子さんは病院にかかることも多くあると思いますが、英語でのやりとりは大変だったのでは?

 

中村さん:うちは夫がアメリカ人なので、助けてもらうことが多かったです。でも、夫が行けないときもあるので、自分だけで対応しないといけないときは大変でした。今はケータイのアプリで簡単に翻訳できますが、当時はそんな便利なものはなかったし、それほど英語が話せたわけではなかったので。今は娘たちも成長して自分でお医者様に伝えることができますが、彼女たちが小さい頃は本当にドキドキでした。周りの支えがあって、なんとかやってこられた感じですね。