自分の更年期と長女の思春期が重なって……

── 先日ブログで、長女の高校卒業、次女の中学卒業を報告されていました。

 

中村さん:とはいえ、二人ともまだまだ子どもですね。私は日本で子育てをした経験はありませんが、自分の子ども時代を考えると、自分で翌日の時間割に合わせて教科書をそろえたり、家を出る時間も学校に着くまでの時間を逆算して考えていましたよね?でも、アメリカでは教科書は全部学校のロッカーに置いているし、学校の送り迎えどころか、遊びに行くときも私が送り迎えしているので、一人では何もできないんじゃないかと思って。親としては、そこが心配ですね。

 

── 子育ては悩みや心配がつきないものですね。

 

中村さん:本当にそう思います(笑)。でも、個人的に一番キツかったのは、私の更年期と長女の反抗期が重なったときですね。それが5年前のことなので、私が47、48歳のときかな。ちょうど前回のコンサートと重なっていて、そのときはホットフラッシュで汗が止まらないし、どうしようと思っていたんですけど、唯や結花が「みんな同じだから大丈夫」と言ってくれて。気持ち的には楽にさせてくれたけど、私は重めの更年期障害だったので、本当にひどかったです。

 

中村由真

── 更年期障害には個人差があると思いますが、悩んでいる女性も多いですよね。

 

中村さん:当時は自分で自分をコントロールできず、家では眉間にしわを寄せて生活していたと思います。たぶん、そんな私のイライラが長女に伝わっていたんでしょうね。それは大変なことだと思ったし、家族に悪影響を与えると思って、ちょっとだけマインドを変えて、できるだけ笑顔でいることを心がけました。

 

── とはいえ、自分はつらいのに家族のために笑顔でいるのは、大変なことですよね?

 

中村さん:たしかに気持ちを明るく持つのは大変かもしれないけれど、私は無理をしてでも口角を上げるようにしていました。でも、それは更年期だけでなく、生活していると楽しいことばかりじゃないと思うんですね。人生はきつかったり、つらいことのほうが多いと思うけど、なるべくポジティブに明るいことや楽しいことを意識して生きていると、自分も変わるし、周りも変わってくると思うので、多少無理をしてでも笑顔でいることは大切だと思います。

 

── 今、娘さんたちに望むことは?

 

中村さん:私がそうだったように、自分が好きなこと、夢中になれることを、早く見つけてくれるとうれしいですね。今はまだ見つかっていないみたいなので。

 

── もし娘さんたちが日本で芸能活動をしたいと言ってきたら、どうしますか?

 

中村さん:本当にやりたかったら賛成すると思いますが、その前に彼女たちの覚悟を確かめると思います。でも、それは彼女たちの決断なので、私がどうこう言うことではないと思っています。

 

── ご自身の芸能活動の再開に関しては?

 

中村さん:今は7月の「唯・結花・由真 三姉妹コンサート2024 ~夢の続きを...~」に向けて、体づくりに励まないといけないなと思っています。でも、その後はなにも決まっていませんし、芸能界に復帰する気持ちもあまりなくて。もちろん、なにかお話をいただけたら、やらせていただくかもしれませんが、需要もないでしょうから(笑)。

 

── そんなことはないと思います。

 

中村さん:でも、今は下の子がこの秋から高校生になるので、まだ手が離せないというか。しかも、アメリカのハイスクールは4年間もあるんですよね。なので、コンサートが終わったら普通の生活に戻って、娘の送り迎えとお弁当作りを頑張りたいと思っています。

 

PRIFILE 中村由真さん

なかむら・ゆま。1970年、東京都生まれ。1986年にマンガ雑誌『週刊ヤングジャンプ』主催のオーディションでグランプリに輝き、芸能界入りを果たす。1987年の『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』で女優デビューし、風間三姉妹の次女・風間由真役で注目を集める。2005年に渡米し、翌年にアメリカ人男性と結婚。二児の母。7月には「唯・結花・由真 三姉妹コンサート2024 ~夢の続きを...~」を開催予定。

 

取材・文/馬場英美 写真提供/中村由真