1987年に『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』で女優デビューし、挿入歌の『ジレンマ』で歌手デビューも果たした中村由真さん。2005年に突如アメリカ留学し、翌年には現地で出会ったアメリカ人男性との結婚を発表しました── 。
“リリアンの由真”は、本当はイヤだった
── 当時、大人気だった『スケバン刑事』シリーズでの女優デビュー。プレッシャーに感じることはありませんでしたか?
中村さん:(原作の)漫画は読んでいましたが、ドラマは観ていなくて。しかも、お芝居なんてしたことがないのに、いきなりオーディションに連れていかれたので、まさか自分が受かるとは思っていませんでした。そもそも私は歌手になりたかったので、お芝居にあまり興味がなかったんですよね。だから、ドラマの挿入歌で歌手デビューさせてもらえたのは、本当にラッキーだったと思います。
── 中村さんが演じられたのは、風間三姉妹の次女という役柄でしたが、姉妹役の浅香唯さん、大西結花さんの印象はいかがでしたか?
中村さん:唯は同い年なんですけど、芸歴では二人とも2年先輩なので、私からしたらテレビで観ていた人たちだったんですよね。だから、最初は「絶対にイジメられる!」と思っていたんですけど(笑)、二人ともすごく優しかったです。当時の私は撮影をしながら高校に通っていたので、プライベートを一緒に過ごすことはなかったですけど、撮影の合間にランチを食べに行って、くだらないおしゃべりをすることはありました。
── ムードメーカーは、どなたでしたか?
中村さん:結花ですね。というのも、唯は『スケバン刑事』以外の仕事も多く、私は撮影と学校のテスト時期が重なると眠る時間がなくて、本当に疲れきっていたんですよね。もちろん、結花も忙しかったと思いますが、私たちをつねに気にかけてくれていて「ちゃんとご飯を食べなきゃダメ」と言って、外に連れ出してくれていました。
── 寝る時間もないくらい忙しかったんですね。
中村さん:今では考えられないけど、寝られるのは移動車の中だけでした。最高で4日間、家に帰れないことがありましたが、そのときは仕事にならなかったですね。寝ていないからインタビューされていても何を聞かれているのかを理解できなくて。今思うと、当時の返答はハチャメチャだったかもしれません(笑)。
── 中村さんが演じられた風間由真の武器は、毛糸などの編み機の“リリアン”でした。“リリアンの由真”という呼び名も衝撃的でしたが、ご自身はどう思っていましたか?
中村さん:すごくイヤでした(笑)。台本をいただいたときから本当にイヤで、プロデューサーに「本当にイヤなので、武器を変えてください!」と言いに行きました。今考えると、まだデビューもしていない新人がプロデューサーさんに自己談判するなんて、ありえないことだと思いますが、それくらいイヤでした。
── 中村さんがこのキャラクターを愛せるようになったタイミングは?
中村さん:言い方は悪いですが、「どうせならカッコよく見せたい」と思うようになってからですね。“リリアンの由真”としての技も増えてきたので、そこからはとても楽しかったです。当時のスタッフさんは厳しかったけど、新人の私にも本気で向き合ってくださったし、唯、結花との関係が今も続いているのはありがたいことだと思います。
── 7月には、中村さんにとって5年ぶりのステージとなる『唯・結花・由真 三姉妹コンサート2024 ~夢の続きを...~』が開催されます。
中村さん:今は歌を歌っていないし、最近は自宅の引っ越しでバタバタしていたので、「ヤバいな」というのが正直なところです(笑)。でも、私一人じゃなく、唯も結花もいてくれるので、そこは二人の力を借りながら、楽しみながらできればいいなと思っています。
── 今も大切な仲間なんですね。
中村さん:そうですね。今も3人のLINEグループでやりとりをしていますし、結と結花には本当に支えてもらっています。