先日、母との思い出を綴った曲で歌手デビューを果たしたものまね芸人のハリウリサさん。小学校でのいじめが原因で母親を避けていた時期もあったそうです。お話を伺いました。(全2回中の2回)
友達作りに苦労した幼少期
── 小さい頃から歌が好きだったそうですね。
ハリウさん:フィリピンパブで働いていた母の店に、物心つく前の2〜3歳から遊びに行っていて、母がステージで歌っている姿を見ていました。父も歌が好きで、家族でよくカラオケに行っていましたし、いろんな音楽が常にかかっている家でした。歌は身近にあって大好きなものでしたね。
── どんな性格のお子さんでしたか。
ハリウさん:人見知りで、おとなしくて。すぐに友達ができるようなタイプではありませんでした。自分から話しかけに行くのも苦手なので、友達作りには苦労した記憶があります。
── いじめられた経験もあったそうですね。
ハリウさん:小学校の授業参観で母が教室に入ってくると、周りがクスクス笑い出して。「お前、外国人だったの?」と言われて、変わり者のような扱いを受けていました。当時、うちの学校では海外にルーツがあるような子は珍しかったんです。
そこから、母と一緒にいるところを見られたくないとか、学校にも来てほしくないと思うようになりました。休みの日も、母のことを避けて父と過ごして。なんとか周りに馴染もうと、目立たないように頑張っていたと思います。時間はかかったんですが、周りと徐々に話せるようになって。友達もそんなに多くはないのですが、何人かできました。
── 歌手への憧れはいつ頃からあったんでしょう。
ハリウさん:「天才てれびくん」を観て、テレビに出たいなと思ったんです。今、思えばおそらく承認欲求だったのかなと思います。当時、ウエンツ瑛士さんが番組で活躍していて、明るく振る舞って活躍している姿を観て憧れていました。母親が外国人だからとか、自分の引っ込み思案な性格を理由にせずに、テレビの世界で活躍してみたいという思いが強くなっていきました。
歌手になりたいと思ったのは、中高校生になってからです。好きだった歌を本格的に始めようと、高校生になってからアルバイトで貯めたお金で月謝を払って、ボイストレーニングに通い始めました。親に迷惑をかけたくなかったし、家がお金持ちではないので、自分で払わないと習うことはできないだろうと思っていたんです。
── どんなアルバイトをしていたんですか。
ハリウさん:チェーン展開する回転寿司屋です。最初はホールスタッフとして接客からはじめて、後から握りも担当しました。結構変わったお客さんも多くて、酔っ払っている人に絡まれることもありましたけど、お金のためなのでそれなりに対応していましたね。