家事は「すべて動線で」

── 日頃の家事は夫婦で分担していますか。

 

AKINAさん:全部を10だとしたら私が9で、夫が1ですかね。頼んだわけではないのですが、お風呂掃除と、ゴミ捨てはしてくれています。もしかしたら自分も何かしなきゃと察しているのかもしれませんが、お風呂は排水溝まできれいになっています。

 

── 排水溝はありがたいですが、9:1だと不公平感はないですか。

 

AKINAさん:家事は、私が苦痛に感じていたら不満が溜まるかもしれないのですが、特に不満がないんです。すべての家事を「無」の状態で、淡々とこなしています。なので、夫にも「これしてよ!」というような発想がないんです。家事をしているというより、生活の動線で体が勝手に動いている感じなので、「私が全部している」というような感覚もありません。家事は「さぁやるぞ!」ではなく、着替えるときに洗濯物を畳むとか、すべて「ながら」ですね。

 

── 中学1年生から親元を離れて東京で寮生活をしていたのも影響していそうですね。

 

AKINAさん:そうかもしれません。13歳から基本的に生活のことは自分でしていたので、自立も早かったと思います。私の場合は、人にしてもらって「ありがとう」より、まず相手に「ごめんね」と申し訳なく思う気持ちが先に来てしまうんです。人にお願いするより、自分でやった方がいいというのもありますし、自分でやってみた結果、そんなに苦ではなかった。

 

忙しい時に洗濯物が溜まってしまっても、それを夫にやってほしいと思うのではなく、「溜めずにあのとき、自分でやればよかった」と思いますね。無理しているつもりはないんですが、人に求めていないのが大きいかもしれません。向き不向きはあるかもしれませんが、私の場合は、自分でする方が楽しく過ごせています。

 

── 子育てに関してはいかがですか。

 

AKINAさん:私が歌やサックスの練習をしていると、夫は娘と2人で動物園や水族館に出掛けています。そのままご飯も食べてきてれるので、すごく助かります。娘は私より夫の方が好きなんじゃないかなと思うくらい仲良しですよ。赤ちゃんの頃と、いつか結婚して子どもが生まれたときは絶対に母親に頼ると思うので、今はどんどん夫に頼ってほしいなと思います。

 

AKINAさん
サックス奏者としても活動の幅を広げるAKINAさん

── AKINAさんの声かけなども娘さんの父親好きに影響していそうです。

 

AKINAさん:夫が仕事に行っているときは、「こうやってお父さんが働いてくれているから学校に行けるんだよ」と娘に話しています。あとは「こうやって生活できているのはお父さんのおかげだよ」と。夫への感謝の気持ちは常々伝えていますね。

 

── 出張の際などは必ずお土産を買ってきてくれるそうですね。

 

AKINAさん:夫は地方の仕事に行くと、必ずご当地のお土産を買ってきてくれるんです。家をあけて、手ぶらで帰ってきたことはないですね。お土産の披露が、家族のイベントにもなっています。「なんとプレゼントがありまーす!」「いえーい!」「なんとAKINAちゃんには〜、(ご当地限定)ランチパック!」とか。こんなテンションです。

 

── 楽しそうな光景が浮かびます!楽しく暮らす秘訣はなんでしょうか。

 

AKINAさん:結婚した後も、私はずっと自由と言いますか、気持ちとして何かに縛られていることがまったくないんです。結婚したから、子どもが生まれたから、「これができなくなった」ということが何もなくて。

 

それは大木さんが私のことを理解して、好きにさせてくれているところが大きいと思うので、私はその姿勢を尊敬しています。向こうが私のことを尊敬してくれているかはわかりませんが(笑)。これからも、仲良く楽しく家族でひとつのチームを組んでいけたらと思っています。

 

AKINAさん

1985年生まれ、沖縄県出身。12歳でFolderとしてデビューし、その後Folder5のメインボーカルとなる。現在は俳優や歌手としてソロでアーティスト活動を行う。プライベートではお笑いタレントのビビる大木と結婚、1児の母。この夏は、「Peechic Parchic Music」秋田公演、東京公演とデビュー27周年ライブにて、歌とともにサックスの演奏も行う。

取材・文/内橋明日香 写真提供/AKINA