生理不順からいくつもの婦人科で治療を続けてきた気象予報士の千種ゆり子さん。24歳で生理不順を理由に産婦人科に通い始め、26歳で早発閉経と診断。30歳になる前に治療の終了を決意するまでの6年間と今を追いました。

生理不順は本当にストレスのせい?

── 26歳で、不妊の原因となる早発閉経(早発卵巣不全)と診断されましたが、それまでに生理について気になることはありましたか?

 

千種さん:21歳のとき比較的短い周期で生理が2回あったので初めて婦人科を受診しました。しばらく経過観察でしたが、24歳の時に再び生理が3か月来ないことがあり、同じ産婦人科を受診すると、ピルを飲んで生理を起こすことに。その後、生理が止まると同じ産婦人科を受診するサイクルを1年以上続けていました。

 

── 生理不順の原因について、なにか思い当たるところはあったのでしょうか?

 

千種さん:ストレスが原因だと考えていました。ちょうど転職を考えて、気象予報士試験の合格に向けて頑張っていた時期でしたし、東日本大震災後の混乱もあり、精神的なストレスもあり、それが原因かなと思ってたんです。

桜とともに

── 26歳で早発閉経と診断されました。どんな経緯だったのでしょうか?

 

千種さん:気象予報士として青森のテレビ局で勤務していたとき、仕事中に頻繁にホットフラッシュが起こるようになったんです。汗が出て仕事にも集中できない。今考えれば更年期障害のひとつだったのかもしれませんが、当時私は26歳だったのでまったく結びつかなかったんです。

 

ただ生理不順とはなにか関係があるのかなと思って青森の不妊治療に強い婦人科で相談したところ、AMH検査(卵巣予備能検査)という血液検査を受け、閉経寸前の数値であることが判明しました。早発閉経、つまり20代にして閉経してしまい、もうすぐ自分の卵子がなくなるところだと診断されたのです。

 

── 早発閉経の診断を受けたときはどんな気持ちでしたか?

 

千種さん:大学生の頃から、将来は子どもがほしいと思っていたので、ショックでした。24歳から25、26と3年近く、自分の体がどんな状態になっているのか知らずにいましたが、ついに早発閉経が理由だとわかりました。ただ、わかった安堵感もある一方で、不妊に繋がるようなことが自分の体に進行していたことを知らないまま3年も過ごしていたことが悔やまれました。

 

病院には定期的に通っていたのですが、治療を先生に任せてしまっていたのがよくありませんでした。このときセカンドオピニオンとして別の婦人科を受診したり、積極的に情報収集していれば、AMH検査を早く受けて、妊娠の可能性もあったかもしれないと考えてしまいます。