野菜のプロ・青髪のテツさんが、普段からやっているという大根にまつわるライフハック「シワシワでも復活させる技」と「一瞬で味を染み込ませる技」を教えてもらいました。

シワシワの大根は水分が抜けているだけ?

買っておいた大根がシワシワになってしまったら「もう捨てるしかないの?」と、悩む人もいるかもしれません。テツさんによると「シワシワになった大根は水分が抜けているだけ」なので問題なく食べられるのだそう。

 

「大根の表面の皮がシワシワになると、見た目の変化が大きいので、もう食べられないと勘違いする方が多くいます。でも、カビや異臭などがない限り、水分が抜けただけなので、普通に食べられます。煮物や鍋料理などに使う場合は、そのままいつも通りに切って使ってください。煮込むうちに大根が失っていた水分を吸収するので、むしろ味が染み込みやすいとも言われています。

 

サラダや野菜スティックなど、シャキシャキした食感を求める場合は、大根の両端をカットして全体が水に浸かるようにして半日おくと、おおむね復活できます」

 

こんなにしわしわになった大根も、半日水に漬けると…
こんなにしわしわになった大根も、半日水に漬けると…
ここまで復活します!
ここまで復活します!

大根は電子レンジで味が染み込みやすくなる

大根といえばこれからの時期、やっぱりおでんが思い浮かびますよね。箸で割るとほっくりとしていて、味の染みた大根は最高です。そんな大根のおでんを作る際に、ネックになるのが大根の煮込み時間。じっくり煮込むイメージがありますが、テツさんによれば、電子レンジを使うことで大幅に時短できるそうです。

 

「熱いものが冷める過程で味が染みやすいという特性をうまく利用すると、早く味が染み込みます。大根を3~4cmの輪切りにして皮をむき、耐熱ボウルに入れてラップをし、600Wの電子レンジで大根1/2本あたり10分加熱します。

 

鍋に冷たい出汁を入れて、加熱した大根を加えたら1分ほど放置します。その後、他の具材も加えて加熱し、火が通るまで煮込めば完成です。大根単品なら煮込み時間は15分程度です。この方法であれば、長時間煮込まなくても大根にすぐに味が染み込みますよ」

これからが旬!おいしい大根の選び方は?

大根やにんじんなどの根菜類は秋〜冬にかけて旬を迎えます。この時期に大根をおいしく食べるべく、スーパーで選ぶときのポイントもお聞きしました。

 

「太くて重みがあり、まっすぐ伸びている大根は、水分を多く含んでいるためみずみずしくおいしいです。葉の切り口を見て穴が開いてないものを選ぶと、「す」の入ったスカスカした大根を避けられます。

 

カットされた大根の場合は、断面が白いものを選んでください。透明になっていると「す」が入っているので食感が落ちます。大根は頭の青いところは甘くてサラダなど生食におすすめ、先のほうはからみがあるので大根おろしなど薬味にぴったりです」

 

これから冬に向けて季節は大根がおいしい時期。ぜひ旬の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

PROFILE 野菜のプロ・青髪のテツさん

長年スーパーマーケットの青果部で勤めてきた経験を元に、SNSを通じて野菜や果物の知識を発信。ブログ「やさいのトリセツ」運営。著書『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版)、『スーパーのエキスパート店員が教える おいしい野菜まるみえ図鑑』(KADOKAWA)など。

取材・文/加藤文惠 画像提供/野菜のプロ・青髪のテツ