引越し準備は直前「早くリラックスできる環境に」
── 海外はドイツやタイ、トルコ、そして国内でも引越しが多いと思いますが、この生活は慣れましたか。
中村さん：家が片づくので、もう今では引っ越しが好きになっています（笑）。引越し準備は3日前から始めるのですが、一気に作業をするので梱包もすごく早いですよ！
詰めてしまったら何もなくなってしまうし、直前まで普段の生活を送っていたいのでギリギリに作業するようになりました。日本だと梱包してくれる引っ越しのパッケージもありますが、私は自分でしたいんです。梱包しながら「これはいる、いらない」というのを分けていきます。
── おひとりで作業を！
中村さん：はい。前日は寝ないで一気に詰めます。引っ越し先に荷物が到着して、ダンボールから物を出す開封作業もできれば1日で終わらせたいです。遅くとも3日以内には終わらせますね。家が大好きなので、早くリラックスできる環境にしたいです。
海外に可愛いお皿もたくさんあるので食器類も多いのですが、海外だと業者さんが包む方が割れる心配があったので、それなら自分でやろうと思って始めたら、こうしたら割れないというコツもだんだんわかってきました。
── アスリートの旦那さんをサポートされるのも大変かと思いますが、普段の食事で意識していることはありますか。
中村さん：基本的にバランス良くと考えていて、メインにタンパク質、お酢の物、海藻類、豆類を出すように意識していますね。試合の前は消化にいいものをと思って食物繊維を控えたり、パワーが蓄えられるように炭水化物を多めにしたり。
食べる時間も考えています。遅く帰ってくる時は、消化しやすくするため茹でる時間を長めにしたり、ご飯を餅米にしてそれをお粥にしたり。そうすると腹持ちが良くて消化にもいいんです。
── これぞアスリートの妻！すごいですね。
中村さん：これは私が料理好きだったから良かったんだと思います。夫も「良かった」と言ってくれています（笑）。
「何食べたい？」と聞いても「何でもいい」と返ってくることが多いのでメニューはほとんど私が考えるのですが、たまに「サラッとがいい」とかアバウトなことは言われるので、サラッとってことはツルッと麺かな？と考えて出しています。
「私より几帳面」サッカー選手の夫との家事・子育て分担
── 旦那さんは子育てにどう関わっていますか。
中村さん：私の方が娘と一緒にいる時間が多いのですが、夫は関われるときに積極的に関わってくれています。娘はバスで学校に行っているんですけど、送れるときには一緒に行ってあげたいという気持ちが強いようで送ってくれますね。
私からすると「疲れてるんだし、まだ寝てていいよ」って思うんですけど、翌朝家にいられるときは、「明日は送っていくから」って。帰りも夫から電話が来て、「今日は何時に帰れるからお迎え行くよ」って。こういうのは助かりますね。私が言うよりも先に行動してくれている感じです。
── 素敵ですね。娘さんはバイリンガル教育の学校に行っているそうですね。
中村さん：海外生活で英語を少し話せるようになったので、娘なりに頑張って得た経験を忘れさせずに伸ばしてあげようと思い、バイリンガル教育の学校に行っています。英語の宿題は夫が見て、日本語の宿題は私が見ています。
── うまく分担されてますね。家事はどうされていますか。
中村さん：夫はキッチンにはいっさい入らないのですが、それ以外の家事はできるときにやれる人がする感じです。夫は私より洗濯物を綺麗に畳みますし、ゴミ捨てもしてくれていました。国や自治体によってゴミの分別が違うのですが、引っ越しが多すぎてそこがわかっていないので分別は私がしています。
娘と習い事に行っている際に「お風呂溜めとくね」と言ってくれることもありますし、案外何でもしてくれているのでキッチンのことくらいは私でいいかなと思っています。
根本的に夫の方が私より几帳面できっちりしているんです。遠征のキャリーケースの中身もまるでテトリスのように綺麗に並べてあります。滞在先のホテルでも色別で服が並んでいると周りからも言われるので。海外だと夫のような人はまずいなかったみたいですね。
トルコの選手はユニフォームも脱ぎっぱなしで、片づけてくれるスタッフさんがいましたし。「なんで洗うものをこんなに綺麗に畳むんだ？」と言われていました（笑）。
── 几帳面さが表れていますね。娘さんもサッカーをされているそうで。
中村さん：群馬県に夫が経営するフットサル場があるので、せっかくならば習わせる？ということでさせていますが、すごく楽しんでいますよ。でも夫としては、楽しさの反面、厳しさも知っているので、サッカー選手になって欲しいかというと、娘にはそうでもないようですが…。運動として楽しみながら体を動かせたらいいねと話しています。
── 娘さんの将来に願うことはなんですか。
中村さん：私は身長が175センチあるんですが、娘も身長がずば抜けて高くて。大きくなってそれがコンプレックスにならないといいなと思っています。私は芸能界に進めたのは身長のおかげもあると思っているのですが、娘もどんな分野でもいいので、身長に関しても堂々としてもらえたらいいなと思います。
それこそ海外では背が高くても気になりません。娘にはもっと世界を広げてあげたいなと思いますし、自分の好きなことを見つけて貫いてほしいです。
PROFILE 中村明花さん
1986年千葉県生まれ。モデル、料理研究家。プロサッカー選手の細貝萌と結婚し、ドイツ、トルコ、タイと約9年間海外で暮らす。2016年に女児を出産。雑誌「Mart」のモデルとしてライフスタイルを提案。著書に、『ビギナーでも1献立40分以内でおいしく作れる100レシピ 夫婦のきずなごはん』、『１回のお買い物で ３日献立 夫婦のきずなごはん』（ともにKADOKAWA）。
取材・文／内橋明日香 写真提供／中村明花
