伊藤ちゃんに感じたコンプレックス

── 仕事が多忙になったことで、伊藤さんとの関係性はいかがでしたか?

 

虻川さん:まぁ、余裕がなくて喧嘩が増えた時期もありましたね。2人で楽屋にいても、どうでもいいことで喧嘩していたし。あと、伊藤ちゃんは昔から、周りにかわいらしいと言われるタイプの女の子だったので、私が勝手にコンプレックスを感じていた時期もあります。伊藤ちゃんにとってはいい迷惑だと思いますけど(笑)。

 

── その後、お2人とも母親になりましたが、関係性に変化はありましたか?

 

虻川:変化しましたね。子育てが始まると、子育てについて周りからああしたほうがいい、こうしたほうがいいって、いろいろアドバイスをもらうことが増えたんです。なかには、言い方ひとつでけっこうダメージを受けたことも正直あります。でも、そう考えると、当時の私は、伊藤ちゃんにアタリが強かったり、少しキツイ言い方をしてしまったんじゃないか。自分の考えを押しつけていたんじゃないかと、今さらながら反省しています。

 

今は伊藤ちゃんは子どもが産まれて静岡に住んでいます。住んでいる場所こそ離れましたが、北陽の動画を一緒に作る時間も楽しいですし、やっぱり昔からの友達という安心感は大きいです。お互いの力がいい意味で抜けて、今が一番いい関係なんじゃないかと思います。

 

PROFILE 虻川美穂子さん

埼玉県出身。高校の同級生だった伊藤さおりさんとお笑いコンビ「北陽」を結成。現在、1児のママとして、仕事と子育てに奮闘中。著書に『北陽の‟かあちゃん業“まっしぐら』(主婦の友社)。

 

取材・文/間野由利子