娘想いの母親をもつ心優しい主人公。一見その親子関係は穏やかなようにも見えますが、互いが相手を思いやっているからこそ向き合えないこともしばしば。「毒親」「自立」「恋愛」をテーマとした、福々ちえさんの贈る『息苦しいほど優しいママと逃げたい娘のお話』。今回からは母親編がスタートします。
みなさんにとって、わが子の成長は嬉しいものですか？それとも自分の手から離れ行く切なさのほうがおおきいものですか？もし後者だったとき、子どもの自立をどう受け止めていくか、母親目線から考えてみてください。
【第53話】「迷っていたら墓の中」定年直近の女性に言われたひと言が胸に響く
偶然隣の席に座った女性は、大学受験をするのだと話す。今はやりの学び直しだといきいきした表情で教えてくれた。
子育てが終わって定年間近。自分と似た状況だと思いながらも彼女と同じように一歩踏み出すことができない…。
そんな気持ちを見透かしたようにこう言われた。
「私たちの年齢で迷っていたら、気づいたら墓の中ですよ」
作／福々ちえ
