聖書が書かれたヘブライ語の言葉を、みかんの皮で表現

── これから作ってみたい作品はありますか。

 

岡田さん:動物はあらかた作りましたので、最近はヘブライ語のアルファベットを作っています。本業は牧師ということもあり、聖書に書かれた文字をみかんの皮で切り出してみたいと思いまして。

 

「マイムマイム」という歌に出てくる「マイム」はヘブライ語で「水」という意味なんですが、これを1個のみかんの皮で切り出して、YouTubeでも公開しています。

 

ヘブライ語「マイムマイム」。それぞれ1個のみかんの皮で制作
ヘブライ語「マイムマイム」。それぞれ1個のみかんの皮で制作

── みかんの皮アートが、本業に生かされることはあるのでしょうか。

 

岡田さん:生かされているかはわかりませんが、みかんの皮アートのデザインも、神様が与えてくださったものだと思っています。

 

考えようによっては、人間もみかんのようなものです。適当にむけば適当な姿にしかなりませんが、きちんと目標を決めて下書きの線を入れてむけば、すばらしい作品になります。

 

私がみかんの皮作品の創造者だとすると、私が気にしているのはみかんの味でもなければ見た目の美しさでもない。ただ、「どこに線を入れてむくか」ということだけです。

 

神様から見れば、人間にとって大事なのは見た目などではなくて、「いかに人生を展開させていくか」ということなのではないか。

 

むきながら、そんなメッセージを受け取っています。

 

とはいえ、そろそろみかんのシーズンも終わりです。ハウスみかんは高いですし、野球選手ではないですが、シーズンオフは休みたいですね(笑)。

 

PROFILE 岡田好弘さん

1965年大阪府生まれ。大阪芸術大学芸術学部美術学科卒。Estandarte para Ias naciones聖書学校卒。本業は「札幌クリスチャングループの牧師」。2010年にイラストレーター神谷圭介さんとの共著「あたらしいみかんのむきかた」(小学館)を出版。翌年には続編を出版。YouTubeでもみかんのむきかたを発信している。

取材・文/林優子 写真提供/岡田好弘