「強い子になった」胸がジンとした娘の成長

── 娘さん、とても心強かったのでしょうね。強い信頼と絆を感じます。今は、どんな関係ですか?

 

高橋さん:娘は高校卒業後、イギリスに渡り、今は現地の国立大学に通っているのですが、進学先からすべて自分で決め、手続きもみずから済ませていました。

 

私には手厳しいです(笑)。英語の歌詞を手伝ってくれない?と相談したら、「ママの名前で出すのだから、自分でどうぞ」とピシャリ。たしかにそうだよね、と思いながら自分でやりました(笑)。娘とは、いい意味で対等という感じがします。

 

昨年末には、娘がフラットメイト(ルームメイト)の彼を連れ、一時帰国しました。彼は、150万人にひとりの難病を抱え、体が不自由なので、娘が側でずっとサポートをしてきて。

 

もともとは健康だったのですが、出会って1年後に発病し、骨髄移植を受け2人で困難を乗り越えてきました。

 

命の危機を何度も乗り越え、今では復学できるまでに回復したのだそう。何年も彼のそばにつき添い、必死で支え続けてきた娘を見て、わが子ながら、「本当に強い子に成長したんだなあ」と、胸がジンとしました。

 

高橋洋子さん
着物姿があでやかな高橋さん(左)と娘さん(右)

── 素敵ですね。本当に強い人というのは、人にも優しいものですね。

 

高橋さん:親はついわが子可愛さで手をかけすぎてしまうけれど、結局それは、子どものためにならないと思うんです。必要以上に手伝わず、本当に困ったときだけ、全力で手を差し伸べるのがいいんじゃないかなと。そのほうが「人生を切り拓く力」が養われる気がします。