子育てを経験した人は強い

── 母親をやりながら夢を追いかけるコツはありますか。

 

竹田さん:私の場合は、辞められなかっただけ。芸人の夢を諦めて母親になったのに、「R-1グランプリ」に挑んだり、TikTokに配信するのは自分の“辞められない性”からです。

 

ただ育児をしながら育児以外のことをするのは、心のバランスを取る意味でも、すごくいいと思っています。掃除する時間とか削れるところは削って自分時間をつくって、心のバランスを取っていくと、子どもにも優しく向き合える気がします。

 

もうひとつ思うのは、育児の大変さを経験した人は強いということ。育児ってものすごくエネルギーがいりますよね。そのエネルギーのベクトルを、他のところに向けて活かすことはできるんじゃないかなって。

 

── 素敵な考え方ですね。

 

竹田さん:どんなものでも集中した経験がある人は、そのエネルギーの使い方を知っていると思うんです。

 

甲子園を目指して努力した人に、プロ野球選手になれなければ意味がないっていうことはないですよね。エネルギーを費やした経験があれば、その情熱のかけ方は何にでも応用できるはず。

 

私はそれを試したくて保育士の資格を受けて、実際合格できました。逆にいうと、それくらい子育ては大変でエネルギーがいることなんだと思います。

大切なのは「健康な心と体」

── 竹田さんが、育児をするうえでいちばん大切にしていることは何ですか?

 

竹田さん:子どもが元気でいることですね。元気というのは、笑ってるか、健康かどうかのふたつ。これだけ気にしておいて、あとはもう本人に任せるスタンスです。

 

多くの親は、つい子どもの将来に期待する。そうしてたくさんの稽古事をさせたりいろんなことを課してしまう。

 

そんななか、あるママ友が「私は子どもに何も期待していない。ただ子どもが元気でいてくれればそれでいい」と言ったんです。

 

そのときに、究極の愛だなと思って。子どもが何をやりたいかは、その子自身が決めること。何かを用意する必要はなくて、ただ健康な心と体を作る手伝いをするだけでいいんだと思ったんですね。

 

彼女の言葉に、親としての在り方を教えてもらった気がしました。

 

竹田こもちこんぶさん
「登下校中の寄り道は日常茶飯事」4児を育てる竹田さん

── 普段の生活で心がけていることはありますか。

 

竹田さん:やっぱり食事ですね。おかずは3品以上出すとか。もちろん手抜きをする日もありますが、基本的には手作りしています。

 

人数が多いうえ、小さい子もいて食べるものも違うから、食事作りだけでひと仕事です。

 

結婚して子どもを産んでから料理を始めたのですが、いまだに手際が悪くて。レシピを見ながらじゃなきゃ作れないし、毎日台所で格闘していますね。1日のほとんど台所にいる気がします。


取材・文/夏野久万 画像提供/竹田こもちこんぶ