美の仕事で子ども二人を育て上げた

── 京子さん、とてもお若いです。お肌も美しいし。

 

京子さん:そうですか?わたくし、美人が大好きなんですよ。職業柄っていうのもあるんでしょうか。病院に行っても、美人がいるとじーっと見てしまったりしてね。あ、また仕事が出ちゃった、って慌てて見ないようにするんですけれど。

 

マキシマ研究所の巻島京子さん
大事な仕事道具のミシンを前に座る京子さん。仕草も言葉遣いも美しい

── マネキンのかつらをつくっていたときは、他のお仕事もされていたんですか?

 

幸三さん:貴金属や淡水真珠のアクセサリー、宝飾品も同時に研究しながらつくり、販売していました。

 

マキシマ研究所の巻島京子さんが創った真珠のアクセサリー
お二人が営むマキシマ研究所には、京子さんが創った真珠のアクセサリーも丁寧にディスプレイされている

── ご自身たちの美の世界を創る仕事で、お子さんたちも育て上げられた。

 

京子さん:それだけはね、良かったと思っています。子ども二人はまあまあ生きていてくれて、それで十分。自分たちの好きな道を進んでくれていたらそれでいいんです。

 

幸三さん:二人とも私たちとはまったく違う仕事に就いています。一人は学者、一人は機械工学系の仕事。私たちのことは理解してくれていると思いますが、あまりにも親が大変な生活をしていたからね。