中学2年生から6年間、ひきこもり生活を過ごした、お笑いコンビ「髭男爵」山田ルイ53世さん。有名私立中に半年で合格するなど、勉強もスポーツもできる優等生でしたが、とある失敗を機に、学校に行けなくなったそう。当時どんな思いで自宅で過ごしていたのか、また、ご両親への率直な思いについて振り返ってもらいました。(全5回中の1回)
半年で名門私立に合格「ピエロになれない自分」
── 小学校のころから優秀な、いわば”神童”だったそうですね。
山田さん:いやいやいや、僕が勝手に「俺、神童っぽいな」と思っていたというだけの話です。
小学校6年生のとき、クラスメイトが中学受験で勉強しているのを見かけたんです。それまで全然中学受験の世界を知らなかったんですけど、そこから勉強を始めて、半年たらずで六甲学院に受かったんです。
で、「俺すごいな、神童感あるな」って天狗になっていました。
僕が生まれ育った町では、あまり中学受験して私立に行く子がいなかったので、多少注目を集めてしまった、というか。
── 中学受験に合格後、2年生の1学期の登校中に粗相してしまうという出来事を経て、2学期初日から6年間、ひきこもり生活を過ごされました。きっかけ自体は、他の人にも経験がある出来事のようにも思えます。
山田さん:「僕にも経験がある」みたいなことは確かに聞くんですけど、中学2年生で登校中に、パンツを全部汚すぐらいの粗相してしまうというのは、なかなかなハードルでした。
それまでは、サッカー部もすぐレギュラーになったし、勉強もだいたい学年で10番以内、調子良いときは3番以内ぐらいで。まわりからも「よくできる山田君」という感じで見られていたと思います。
自分で言うてて恥ずかしいんですけど、三者面談で先生から「このまま行けば東大に入れるでしょう」と太鼓判を押されたり。そういうことが重なって「俺は他の子とは違うんだ」という、優越感みたいなものがあったんです。嫌な子ですよね。
「うんこ漏らしました。てへ」と、ピエロになれない自分を作っていたところはあったのかなと思いますね。