自分自身が出演する仕事は難しい
── 意外なきっかけだったんですね。
かかずさん:同じころ、地方局の旅番組リポーターでは、忍者になったりバンジージャンプをしたり。とても貴重で楽しい仕事でした。
でも、将来を見据えたときに、年齢を重ね、自分自身が前面に出ていく仕事は難しいのではないか、と思うようにもなりました。
声の仕事は、年齢を問わずにやりがいのある仕事。頑張れば長く続けられるのではと思い、こちらの道を選びました。
母がラジオ好きで、声の仕事を後押ししてくれたのも大きかったです。
スタジオから出ればすぐに…
── 声優として、のどの調子やコンディションを整えるために特別なことはしていますか?
かかずさん:花粉症なので処方された薬を服用したり、のどがイガイガしたらはちみつをなめたり、それくらいです。
まだ声の衰えはそれほど感じていませんが、この先、小学生の声をキープしていくには、しっかりケアをしないと難しくなるかもしれません。
年齢を重ね、ちょっとしたことでせきこんだり、タンのキレが悪くなったりする自覚も出てきました(笑)。
── かかずさんはさまざまな声の出演をしていますが、収録が重なったときに切り替えられるものですか?
かかずさん:長期の撮影をする映画の俳優さんなどは、その役にずっと入り込むことが多いように感じますが、声優は場面転換も多いし、役の切り替えが早いイメージですね。
私の場合は、たとえば『ドラえもん』の収録スタジオに入ったら、しずかちゃんのスイッチが入り、スタジオを出たら自然とオフになります。
だから外で突然、「しずかちゃんをやって!」と言われても、スイッチを探すところからです(笑)。
PROFILE かかずゆみ さん
埼玉県生まれ。短大卒業後、リポーターを経て声優に。『機動新世紀ガンダムX』『頭文字D』など出演多数。2005年からアニメ『ドラえもん』の源静香役を担当。著書に『しー しずかに』。ベビーマッサージタッチケアセラピスト。2児のママ。
取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/かかずゆみ