アニメ『ドラえもん』以外にも、さまざまな作品に出演している声優のかかずゆみさん。幼いころから、声の仕事に憧れていたというわけではなく、別の職業も考えていたそうです。どんな経緯でトップ声優の道を歩むことになったのでしょうか。(全4回中の3回)
危機意識はいつもある
── 声優の世界には、年齢や性別による有利や不利があるのですか?
かかずさん:声質や高め低めの声域といった感じで、ある程度のすみ分けはあるかもしれませんが、年を重ねたからこそできる役柄も存在しています。年齢や性別で不利になることはないと思います。
今では人気の職業として認知され分母も多いので、ひとつの役柄につくための競争はある程度あるのかなと思います。
私は運良く長寿番組に関わることができましたが、危機意識はいつもあります。
70代、80代になっても活躍されている先輩方が大勢いらっしゃるので、私も日々精進しながら生涯現役を目指して、楽しんでいきたいと思います。
就職先は子ども服関連に…
── かかずさんが、そもそも声優業を志したきっかけを教えてください。
かかずさん:子どものころから声優を目指して…というのではないんです。キャラクターはキャラクター。その向こうに人間が声を当てているなんて考えたこともなくて。
将来やりたいことはコレ! と決められないまま、家政系の短大に通い、就職先は子ども服などアパレル関係もいいなと漠然と思っていました。
アルバイトで接客やウグイス嬢、テレアポの仕事をするうちに、自分を表現する楽しさに目覚め、芝居の稽古やワークショップに参加するようになりました。
特にお芝居がおもしろくて、アルバイトで広がった人脈からドラマやCMのエキストラ出演のお話もいただきました。
オーディションをいろいろと受けるなかで、声優のオーディションもありました。
芝居を勉強していたので、声だけならと思って挑んだものの、まあ難しい! 次こそは次こそはと沼にハマっていきました。