── かかずさんは他の作品にも多数関わっていますが、しずかちゃんの声はどのように意識して演じていますか?
かかずさん:自分のなかで、少しハスキーな声を意識しています。
しずかちゃんは、実はボーイッシュなところや、おてんばなところもあるので、いわゆる“ぶりっ子”な声にはしたくないと思いました。
『ドラえもん』オーディションは“記念”
── しずかちゃんの声は以前から希望していたのですか? かかずさんが選ばれた決めては何だったのでしょう?
かかずさん:当時、業界内で『ドラえもん』のオーディションを行っているようだという噂が流れました。
事務所ごとに、希望する役をそれぞれテープに吹き込んで送るというもので、当時所属していた事務所にもその話がきました。
ドラえもんもスネ夫もジャイアンも、自分がやると笑っちゃう出来。のび太くんもやったのですが結局、しずかちゃん一択で送ってもらいました。
そのときは記念受験のような感覚で、『ドラえもん』に関わることができただけでうれしく楽しかったです。まさか自分が選ばれるなんて思いませんでした。
後に当時の監督が、最終面接のときの私の態度も選んだ理由のひとつだったと教えてくれました。
声優のオーディションでは珍しく、最終審査は審査員も声優もズラリと並んで対面で行うものでした。
質疑応答で、なぜか私だけ年齢を聞かれたんですが、「年齢は関係あるんですか?」と聞き返してしまいました。
笑いが起きて少しなごみました(笑)。そんな強気な部分が、しずかちゃんのイメージに合ったのだそうです。
年齢を聞いてくれた審査員には、今では感謝しかないです(笑)。
PROFILE かかずゆみ さん
埼玉県生まれ。短大卒業後、リポーターを経て声優に。『機動新世紀ガンダムX』『頭文字D』など出演多数。2005年からアニメ『ドラえもん』の源静香役を担当。著書に『しー しずかに』。ベビーマッサージタッチケアセラピスト。2児のママ。
取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/かかずゆみ