国民的長寿アニメへの出演が決まってから20年弱。かかずゆみさんは、まさか自分がしずかちゃん役に選ばれるとは思っていなかったそうです。その後のプレッシャーをどう克服していったのか聞きました。(全4回中の2回)
「私の声で大丈夫だろうか」
──『ドラえもん』という国民的作品の源静香役に抜擢されたときは、重圧はありませんでしたか?
かかずさん:自分が聞いてきたしずかちゃんの声とまったく同じ声は出せないので、「私の声で大丈夫だろうか」という不安はありました。
絵のタッチも他の声優も一斉に変わったので、「今までとは違う」「違和感」なんて言葉も多く届きました。
でも、一緒にスタートしたメンバーだからこそ、みんなで話し合い励まし合いながら作り上げていきました。その時期にグッと絆が深まったと思っています。
10年もの試行錯誤
── しずかちゃんの声を担当してから17、8年がたちましたが、納得できるようになったのはいつごろですか?
かかずさん:自分の気持ちが少し落ち着ついてきたのは、10年くらいたってからですかね。
私たちの作品をみて育った世代から、前向きな感想が届くようになったのが大きいです。
その間は、試行錯誤の連続で、声が前回と違うのではと感じた人もいたと思います。
大丈夫だっただろうかと悩み、また少し作り直してしまうというジレンマに陥ったこともありました。
時代や人は移り変わっていくもの。その時代の人たちが、その時代にできる作品を作り上げていくんだと気持ちを切り替えました。