気温の差が大きい日は「寒暖差疲労」にも注意

── 寒い時期はつい最低気温に目を向けがちですが、最高気温との寒暖差も服装を選ぶうえで重視すべきポイントなのですね。

 

くぼさん:寒暖差は体調にも影響します。1日の最高気温と最低気温の平均的な差は、7~8℃。その差が10℃以上あると、体がしんどいと感じる人も多いと思います。

 

これは「寒暖差疲労」といって、自律神経の働きが乱れるために起きるといわれています。

 

季節の変わり目などで気温の変動が大きい、朝晩と日中で寒暖差が大きいだけでなく、屋外と室内の温度差でも、体が受ける影響は同じです。体調を崩しやすくなるので、注意してください。

 

── 今は寒さが増していて、体調管理が難しい時期です。天気予報をチェックする以外に「明日は寒くなるな」と、わかるサインはありますか?

 

くぼさん:冬になると天気予報で、「放射冷却」という単語を聞くことが増えると思います。

 

日中は太陽の熱で地上が暖められますが、夜になるとその熱が上空に逃げていきます。晴れていて雲がないと、遮られずに熱がどんどん放射されて逃げてしまうため、翌朝の冷え込みが強くなる現象が「放射冷却」です。

 

夜の空を見上げて、雲が掛け布団のように空を覆っていたら、熱が逃げません。逆に晴れていて月や星がきれいに見えたら、「明日の朝は冷え込むぞ」と思ってください。

 

気象予報士のくぼてんきさん
軽妙な語り口と、屈託ない笑顔が魅力的!

 

PROFILE   くぼてんきさん

気象予報士、防災士、こども環境管理士、紙芝居師。1983年生まれ、大阪府出身。『ZIP!』(日本テレビ系)で天気解説を担当。著書に『くぼてんきの「天気のナンデ?」がわかる本』(あさ出版)ほか。

 

取材・文・撮影/鍬田美穂