50代、60代になっても自分の歌声にワクワクしたい

── お客さんの前で歌ってこそ、ですものね。年を重ねながら歌い続けておられますが、努力されていることはありますか?

 

元さん:
声の調子は浮き沈みはありましたが、もともと負けず嫌いで前向きな性格なので乗り越えてきました。

 

最近嬉しかったのは、ボイストレーニングの先生との出会いです。

 

私自身と声をしっかり見てくれる先生で、ぱーっと可能性が開けていくような、今までにない感覚です。

 

10代のころにできたことが40代でできないのは仕方ない、とあきらめるのではなく、じつは可能だと教えてくれました。自分はこんな声が出るんだ、と驚いています。

 

いま43歳ですが、10年後も20年後も歌う自分を想像してワクワクします。一生歌い続ける覚悟です。

 

── コロナやボイトレを経て、歌への思いがどんどん深くなってきたわけですね。今後どのように歌と向き合っていきたいですか?

 

元さん
子育てが落ち着きつつありますので、中学生の頃のように歌に“どっぷり”つかりたいですね。

 

なんだかんだいって子育てには、多くの時間をとられてきましたし、子どもの学校のこともけっこうやってきたので、“さぁこれから”の気分です。

 

── “どっぷり”つかるとはどういう感じですか?

 

元さん:

私の“どっぷり”は、本当にどっぷりですよ。つねに真剣に、時間がある限り歌えたらいいのになぁと思います。

 

中学生のころ、シマ唄にハマって家でもずっと歌い続けていたので、姉が精神的につらくなりかけて私だけ祖母の家に預けられたことがあります。

 

でも、祖母の家でも歌っていたら、祖母も限界を感じたようで…また自宅に戻されました(笑)。あのころと同じように、歌とじっくり向き合いたいんです。