レモンカラーのパッケージ「手に取りやすくなった!」

── 具体的にはどのようにリニューアルされたのですか?

 

松枝さん:
イカ天は9センチくらいの大きなサイズだったのですが、若い女性でも食べやすいようにひと口大に変更しました。パッケージデザインも一新し、レモン色を前面に出し、商品名を柔らかいフォントにしました。味もレモンの酸っぱさは「やりすぎかな?」と思うレベルまで強くしています。

 

後に「レモンでイカ天の独特のにおいを感じなくなった」「おしゃれなパッケージで手に取りやすくなった」などの声をたくさんいただいたので、思いきってリニューアルしてよかったです。

 

── レギュラー商品として売り出してすぐにブレイクされたんですか?

 

松枝さん:
いえ、そんなことはないです。転機が訪れたのが2014年4月。成城石井、紀ノ國屋、カルディといった全国的に展開しているセレクトショップや高級スーパーで一斉に「瀬戸内れもん味イカ天」の採用が決まりました。比較的、女性バイヤーの方たちが多かったので、その方たちに気に入っていただけたのだと思います。

 

── やはりそこでも女性の支持があったのですね!

 

松枝さん:
その後、2014年9月に大型スーパーでの採用が始まり、2015年春に一気に大ブレイクしました。

 

当時、当社の1日の生産数は最大2万パック、月で40万パックほど。ところが、「瀬戸内れもん味イカ天」の商品だけで月に40万パックの生産に追われていました。

 

当然、日中だけでは他のレギュラー商品の生産が追いつきません。夜勤のシフトを導入したり、営業マンにも生産ラインに入ってもらったり。姉妹品である「瀬戸内すだち味のり天」の生産も丸2年ストップしました。そうして2年間かけて日中だけでも数量を確保できる生産ラインへと体制を整えていきました。