コツは「具体的に」提案すること

アサーションな伝え方のコツは、具体的に提案することです。

 

「2階部分は私がやるので触らないでください」
「換気だけお願いしていいですか。寝室は私がやりますので」

 

などと、はっきり伝えてみてください。

 

反対に、あいまいにぼんやり伝えるのはNGです。

 

「2階はあんまりやらなくていいですよ」といった言い方だと、お義母さんもどこまで何をしていいのかが分かりません。

 

ただ、誤解しないでいただきたいのは、アサーションは相手をコントロールすることではありません。あくまでお互いの気持ちを尊重するものなので、「お義母さんが入ってこないようにすること」が目的ではありません。

 

ここで相談者さんが譲れないのであれば、壊れたレコードのように繰り返し繰り返し「入らないでほしい」ということを伝えて、あきらめてもらう方法を取らざるを得ませんが、相手の気持ちを大事にしつつ、というところを忘れないようにしてください。

 

これから長く続く同居生活ですから、お互いの気持ちを尊重し合える関係を続けたいですね。

 

PROFILE 八木経弥さん

やぎ・えみ。臨床心理士/公認心理師。心療内科や児童相談所、スクールカウンセラーなどの勤務経験のもと、開業カウンセラーとしても活動中。仕事では心理学を活用した育児の方法などを伝えている。2人の娘の母。

取材・文/大楽眞衣子 イラスト/まゆか!