専業主婦の起業が珍しくない昨今、努力と工夫で少しずつ業績が上がっていっている話も聞こえてきます。妻が起業することに対して、夫はどう思っているのでしょう。
妻から起業の相談を受けて初手を凡ミスした夫
「妻が突然、起業すると言い出しました。その瞬間、僕は“裏には男がいるんじゃないか?”と疑惑を抱いてしまった。いま思うと、本当に申し訳ないんですが…」
そう話すのはケイイチさん(45歳)です。同い年の妻との間に、16歳と13歳の子がいます。
「結婚してから妻は専業主婦で、その後、子どもが大きくなるにつれ、昼間何かを習いに行ったり、友だちのつてでパートをしたりしているようでした。
でも、僕は実際に妻が何をしているのかは知らなかった。妻も言わなかったし。家のことに支障がなければどうぞお好きに、と思ってもいた」
時間があるときは子どもとよく遊んだと言いますが、つまり、ふだんは家事育児を妻にほぼ丸投げ状態だったよう。
妻が起業すると言い出したのは3年前。美容関係のサロンをつくると聞いて、ケイイチさんは大反対しました。“そんなお金がどこにあるんだ?”が第一声でした。
「すると妻は冷たい目で僕を見て、『内容も聞かずに、まずお金の話をするのね』と。家計からは持ち出さないからと、妻はその後の話し合いを拒否しました。
それで僕は、裏で金を出してくれる男がいるに違いない、その男と関係があるはずだと思い込んじゃったんです」
妻がお金をもっていると考えないところが不思議です。金をもっているのは男、だから男と関係があると考えるのは、あまりに短絡的ではないでしょうか。
「結局、いつどこで起業したのか、僕はまったく知らないまま。こっちも意地になって聞こうとしませんでした。
でもあるとき、妻の両親に会う機会があって、『ケイイチさんが理解してくれてよかったわ』と義母に言われ、苦笑するしかなくて」
ようやく妻に事の次第を尋ねる気になったそうです。