「三輪自転車が欲しい」お店やメーカーから冷たく断られる

翌日、自転車ショップに行き、「子どもを乗せられる三輪自転車が欲しい」と伝えました。ところが、返ってきたのは、「そんな自転車は見たことない」とそっけない答え…。

 

店舗で扱っていないなら、自転車メーカーに作ってもらおうと電話で問い合わせたものの、どこに連絡しても「何を言っているんですか?」と怒られ、まともに話さえ聞いてもらえません。

 

「今考えれば、メーカーの人たちも忙しいときに、何も知らない主婦から“自分の欲しいものを作ってほしい”なんて連絡されたら、イライラして当然だったかもしれません。

 

連絡するたびに言われたのが、“道路交通法を知っているのか?”、“そういう自転車が存在しないのは、欲しい人がいないから” 、“世の中にその商品がないのは、ないなりの理由がある”の3点でした。

 

本当にそうなのかな?と疑問に思い調べるようになりました」

 

試作モデルに乗る中原さん

どんな三輪自転車なら走行が可能なのかなど、道路交通法を勉強し、必要があれば法律事務所に問い合わせ、弁護士たちの見解を聞きました。

 

また、街で子どもを自転車に乗せて自転車を走らせるママたちの観察もするように。

 

「すると、二輪自転車でバランスを崩しかけるのを、必死で踏ん張るママたちが少なくなかったんです。

 

みんな苦労するのが当たり前になっていて、大変さに気づいていない。自分の求めている乗り物がイメージできていないだけ」

 

親子用の三輪自転車の需要は必ずある、と確信したそうです。