願ってから3年かけて三輪自転車の試作車が完成

自転車メーカーに問い合わせてはそっけなく断られ、イメージした三輪自転車を作れないまま時間が過ぎていきます。

 

道路交通法や自転車の構造の勉強をして、自分で設計図も作っているうちに、ふと気づいたことがありました。

 

「三輪自転車が欲しいのに、二輪自転車メーカーにアプローチしても方向性が違うのでは?イメージしているものは、“リヤカー”が近いかもしれないとひらめいたんです。

 

2016年に服部緑地で試乗会では双子や年子を連れた多くのパパやママが集まった

すぐにリヤカーメーカーに問い合わせたところ、やんわりと断られてしまいました。

 

でも、自転車メーカーの取りつく島もない返答に比べれば、望みがあるかもしれないと思って。“お話だけでも聞いてください”とお願いすると、営業の人が会ってくれることに」

 

ようやく話をする機会を得て、双子を連れて移動する大変さや、「子どもを2人後ろに乗せられる三輪自転車を求めている人はたくさんいるはず、ぜひ協力してほしい」と熱意を伝えたところ、試作品を作ってもらえることになります。

 

2014年2月からリヤカーメーカーとの交渉を開始し、9月に念願の試作車が完成。

 

2011年に「双子を後ろに乗せられる三輪自転車が欲しい」と考え始めてから、約3年の年月が経っていました。

 

「試作品が届いてすぐ、子どもを乗せて家の前を何周もしました。じっくりと、一つひとつの感触を確かめていると“私は自由だ!”と叫びたくなるほどの開放感がありました。ようやく夢が現実になった幸福を噛みしめましたね」