パッケージ変更をきっかけに売上が10倍以上に
──「クルミッ子」は、パッケージをリニューアルして売り上げが激増したそうですね。
有井さん:
パッケージをリニューアルした2008年度と比べて、2021年度の売り上げは11.4倍になりました。まさかこんなことになるとは、当時は予想できなかったですね。
「クルミッ子」は、「大いちょうサブレー」というサブレーの生地の残りを捨てないで再利用するために考案した商品なんです。今でいうSDGsですね。
ネーミングも「ゆっくり考えよう」と暫定でつけたものをそのまま使っています。そのころは、店の片隅に置いてあるようなお菓子だったんです。
紅谷は、46年前に「あじさい」と名づけて発売したラスクが、長年主力商品でした。当時の写真を見ると、看板ものれんもポスターも「あじさい」一色。店自体が常連さんに「あじさいさん」と呼ばれていたほどです。
── パッケージを変えたことで、お客さまの層も広がったのでは?
有井さん:
そうですね。鎌倉殿の頃は、50代~70代のお客さまがほとんどでしたが、リスくんになってから、より幅広い世代の方にも知ってもらえるようになりました。
ただ、パッケージだけでなく、神奈川県名菓展菓子コンクール(最優秀賞受賞)に出品したり、SNSを立ち上げたり、リスくんのグッズを作ったり…。副社長である妻の客観的な意見を取り入れて、いろいろな試みをやってきました。
2019年 に「横浜ハンマーヘッド」に、「Kurumicco Factory」という工場と店舗・カフェ一体型の店舗を新設しました。 「クルミッ子パフェ」などの限定スイーツを味わっていただけるカフェや、「クルミッ子」づくりを楽しんでいただけるワークショップも好評です(※ワークショップは現在受付休止中) 。