国家資格を持つ助産師がヘルスケアのお悩みを丸ごとケア

自身も看護師、保健師の国家資格を持つ現役助産師である岸畑さん

── 実際に企業に導入される際、顧問助産師サービス「The CARE」はどういったサポートを行うのでしょうか?

 

岸畑さん:
顧問助産師サービスでは、税理士や弁護士のように企業専属の助産師が3人以上つき、企業と社員のヘルスケアを丸ごとサポートします。主に4つのサービスに分かれていて、まず1つ目はオンライン相談です。出産や子育ての不安から不妊治療、生理の悩み、職場の労働環境や人間関係の問題など、健康やメンタルヘルス全般のメール相談を受け付けています。

 

2つ目は妊娠された方やそのパートナーに向けた、育休サポートプログラムです。妊娠した時、産休に入る前、産後、復職前の4段階に分けて、継続的に対面での相談機会を設けています。それぞれの時期に合わせて「仕事の引き継ぎで困っていることはないか」「出産時にトラウマのような出来事はなかったか」など、仕事とプライベートにまたがるお悩みを聞いています。ご要望があれば、自宅に伺って授乳指導などもしています。

 

私たちは「生まれることのできなかった命も取り残さない」という理念を掲げています。

 

例えばプログラムを受けている人の中には、最初の面談をした数週間後に死産される方もいらっしゃいます。そうした場合は、企業に対して相談料をお返ししたうえで、会社として無償でグリーフケアをさせていただきます。

 

3つ目がセミナーや研修です。私たちは助産師であるとともに、全員が看護師の国家資格を持ち、約半数が保健師の国家資格を持っているので“ヘルスケアのプロフェッショナル”として、健康や感染症対策、ハラスメント研修など幅広いテーマの講義やワークショップを行っています。

 

そして4つ目は、毎月の相談実績を分析したコンサルティング。不妊治療に対する助成金や男性育休の推進など社会的な動きを踏まえて、企業として進めていくべき取り組みをご提案しています。

 

── 女性や子育て中の社員だけでなく、独身の方や男性からの相談も寄せられるのでしょうか?

 

岸畑さん:
そうですね。女性や子育て中の方に限らず、男性からの相談も3割あります。50〜60代の方からは更年期症状などのお悩みも多く、年代性別を問わず幅広い方々からご相談が寄せられています。

 

例えば、ある男性の方からは「妻が産後クライシスになっている」との相談を受けました。地域の保健センターに相談したものの、保健師さんには「産後クライシスではない」と言われてどうしたらいいかと。産後うつのような症状もあったので、「では違うルートでメンタルクリニックに誘導しましょう」とお伝えして、一緒に近くのクリニックを探しながら相談を進めていきました。