「名刺の渡し方はわからないし、パソコンもちょっと苦手」。元タカラジェンヌからホテル支配人へ転身した憧花ゆりのさんは言います。立派なホテル支配人を目指すも、理想は彼方へ。新たな夢に挑む中で起きた苦しさや楽しさ——、どんな2年を過ごしてきたのか、彼女の肉声に耳を傾けます。
「ホテルと宝塚大劇場の架け橋に」支配人に就任
憧花ゆりのさんは、宝塚歌劇団で娘役として活躍後、2018年に退団。2020年から宝塚ホテルの支配人に就任しました。
現在は主に、お客様が宝塚歌劇団の世界観を楽しめるよう、ホテル内の宝塚歌劇ギャラリーの展示監修、展示物のコメント執筆、ホテルで開催する宝塚OGのイベント企画・管理などの仕事を行っています。
目標は宝塚大劇場のオフィシャルホテルである宝塚ホテルと、宝塚大劇場の架け橋になること。
「私は支配人として管理部署に所属すると同時に、イベント企画部署にも所属しています。
宝塚歌劇団できらびやかな世界を楽しんだお客様に、“夢のつづき”を見てもらうのが、ホテルのコンセプトです。
歌劇の開演前や終演後に、ロビーでお客様のお出迎えやご挨拶、地域のロータリークラブなどで宝塚歌劇のお話やホテルのご案内をすることも増えています。
じつは他のホテルには、“総支配人”はいても、“支配人”という役職はないんです。いわば、元タカラジェンヌである私のために与えられた仕事といえるかもしれません。
いろんな部署と話し合いをして、ファンの方に喜んでもらうことは何かをつねに考えています」